藤村修官房長官は12日、ロシア高官が北方4島を11日に訪れたことについて「日本の立場と相容れず誠に遺憾。我が国として受け入れられない」と不快感を示し、「改めて日本の立場をロシア側に伝える予定である」と語った。
藤村官房長官は「我が国の立場はいろいろなレベルでロシア側に伝えてきた。また、日露両国は両国間の合意を基に領土問題を解決し、平和条約を締結するということで合意している。大切なことは両国が誠実に領土問題解決に向けて交渉を行っていくこと」とロシアに両国合意に基づく行動を求めた。
インタファクス通信などによると、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記が11日、国後島を訪問して後、歯舞群島の水晶島を視察したとしており、これを受けてのこと。
領土問題については、今月9日、日露外相電話会談で玄葉光一郎外相が「日露関係を真に戦略的次元に発展させるためには経済面での協力とともに領土問題を解決し平和条約を締結することが不可欠」との提案を行った。
領土問題解決を前提とした平和条約締結について、ラヴロフ・ロシア外相からは「平和条約締結問題については静かな環境の下で対話を継続する用意があり、日露の良好な雰囲気の中で実施すべきである」との回答があった(外務省)としている。
(編集担当:福角忠夫)