三菱重工、オマーンの財閥企業とエンジニアリング会社をインドに設立

2011年09月07日 11:00

 三菱重工業とオマーンの財閥企業、スヘイル・バウワン・グループ(Suhail Bahwan Group:SBG)は、インドに合弁でエンジニアリング会社「MHI Engineering and Industrial Projects India Private Limited(略称MEIP)」を設立。経済成長著しい同国市場で、三菱重工 機械・鉄構事業本部が手掛ける各種産業・インフラ案件の営業、設計、調達、建設管理、アフターサービスなどの機能を担うもので、4年後(2015年)の売上高100億円を目指す。

 両社は以前から関係が深く、三菱重工はSBG向けのオマーン大規模肥料プラント(年産130万トン)を納入。また最近では、SBGとソナトラック社(SONATRACH)が出資するジョイントベンチャー向けの大規模肥料コンプレックスの建設をアルジェリアで進めている。

 今回の合弁会社設立は、インド進出に際して、三菱重工が保有する幅広い技術力と、SBGが持つインド・ビジネスのノウハウやクオリティマネジメントをそれぞれ活かしたいとする両社の思いが一致。インドは経済自由化路線に転換して以降、急テンポの成長を続けており、2011年度も9%近い成長率の達成が予想されている。その原動力となっているのはインフラ関連投資で、同国では官民連携のインフラ開発が続々と推進され、その周辺には多様な産業の裾野が広がりつつある。今回の合弁会社設立はこのような経済動向を見据えたもの。新会社は、デリー近郊のハリヤーナー州グルガオン市に本社を構え、CO2回収や排煙脱硫プラントをはじめとする環境・化学プラントや交通システムなどの事業を展開。将来的には、中近東やアフリカへの進出も睨む。資本金は約16億円(2,000万ドル)で、出資比率は三菱重工51%、SBG 49%となっている。

 今後も両社は協調しつつ、MEIPの事業展開を技術・営業両面で全面的に支援。一層の伸張が期待される各種産業・インフラ需要に迅速に対応していくという。