高値警戒感から小幅安で終わり続伸ストップ

2012年11月21日 11:00

 20日は「財政の崖」問題の進展によるNYダウの207.65ドル高、大幅続伸の後を受けながら、為替は前日とあまり変化がなく、インテルのオッテリーニCEOが来年5月に退任するというニュースがシャープ <6753> の株価にどう影響するかなど、不安も抱えながらの東京市場開始となった。しかし日経平均の始値は45.22円高の9198.42円で、一時は9200円台にもタッチした。前場はほぼプラス圏で推移したが、昼休みに日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したと発表。市場の予想通りで売り買いの材料にはならず、後場は高値警戒感による様子見ムードが加わって後場の午後1時30分過ぎにマイナス圏に突入し、前日終値近辺で一進一退。終値は10.56円安の9142.64円と、日経平均の続伸は4日でストップした。売買代金は1兆円以上の水準を維持している。

 上昇したのはソフトバンク <9984> 、NTT <9432> など情報・通信、商船三井 <9104> など海運、保険など13業種。クレディスイス証券が投資判断を引き上げた日本板硝子 <5202> が東証1部の値上がり率ランキング2位に入ったのが目立った。下落したのはパナソニック <6752> など電機、不動産、証券など20業種で、アイフル <8515> が5日ぶりに下げ、トヨタ <7203> 、日産 <7201> 、ホンダ <7267> など自動車、関西電力 <9503> 、中部電力 <9502> など電力には利益確定売りも出た。シャープは3円安だった。

 この日、株価が大きく動いたのがキヤノン <7751> で、10円増配発表で前場の9時3分に58円高の高値をつけたが、すぐに急落。後場は一時37円安まで売られ、終値は24円安で引けた。1日の値幅は95円(前日終値比3.37%)と、大型株にしては変動が激しい1日だった。