家計の食費負担が44年ぶり重水準。冷蔵庫から見える物価高

2026年03月14日 18:21

家の中イメージ

食料品7%前後の上昇で「食費割合」が急増。44年ぶり高水準の背景を分析

今回のニュースのポイント

・食費の負担割合が28.6%、44年ぶりの高水準: 2025年の月平均家計支出(31万4,001円)に占める食費の比率が急上昇しました。物価高により、家計において食費がかつてないほど重い負担となっている実態が鮮明になっています。

・米価格が67.5%上昇、統計開始以来最大: 生鮮食品を除く食料が前年比7%前後の伸びを示すなか、特に米は67.5%増と記録的な急騰を見せました。これが日々の食卓のコストを直接的に押し上げる要因となっています。

・「買う量」は減少、家計防衛の動き鮮明: 食費に支払う金額が増える一方で、物価変動を除いた「実質的な購入量」は1.2%減となりました。品数を絞ったり安価な品目へ切り替えたりして、家計のバランスを維持する動きが続いています。

 週末、冷蔵庫の中身にかかる食費の上昇は統計上の数字にも明確に表れています。2025年の日本の消費者物価指数(CPI)は前年比3.2%上昇しましたが、そのなかでも生鮮食品を除く食料は7%前後の伸びを記録し、物価全体を上回るペースで値上がりが続いています。

 総務省の家計調査によれば、同年の月平均家計支出は31万4,001円となり、支出全体に占める食費の割合(エンゲル係数)は28.6%に達しました。これは1981年以来、44年ぶりの高水準です。住居費や光熱費など他の支出を抑えてでも、食費を優先せざるを得ない構造がより顕著となっています。

 この食料インフレの背景には、円安に伴う輸入コストの上昇に加え、原油高による輸送費増、労務費や物流コストの波及が指摘されています。特に米価格は前年比67.5%の急騰と、比較可能な1971年以降で最大の伸びを記録しました。食品メーカー各社も原材料高やエネルギーコストの上昇を理由に値上げを継続しており、現在も高止まりした価格水準が消費者の負担となっています。

 消費行動にも変化が見られます。食費への支払額が増加する一方で、物価の影響を除いた実質的な支出(購入量)は前年比1.2%減となりました。これは、金額面では増えているものの、実際には「購入量を減らす」あるいは「より安価な品目やプライベートブランド(PB)商品へシフトする」といった対応で、家計のバランスを維持している姿を裏付けています。

 日銀は2025年度のCPIを2.5%前後と見込んでいますが、為替市場での円安傾向が長期化すれば、輸入食料品を通じた物価押し上げ圧力が継続する可能性が示唆されています。冷蔵庫の中身に占める品目の変化は、日本経済が直面するコスト構造と、生活者の適応戦略を映し出す指標の一つとなっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)