投資信託で何が起きているのか インデックス優位の理由

2026年04月21日 06:33

今回のニュースのポイント

運用会社別のKPI分析が公表:国内の資産運用会社による公募投信の運用成績を比較した最新のKPI(重要業績評価指標)分析が公表されました。今回から分析対象が過去10年まで拡張され、より長期的な評価が可能となっています。

リターンはインデックス型が全面優位:国内株式、先進国株式、グローバル株式の全分類において、3年・5年・10年のいずれの計測期間でも、リターンの平均値はインデックス型がアクティブ型を上回る結果となりました。

信託報酬の低コスト化が加速:集計対象ファンド全体の信託報酬(残高加重平均)は5年前の1.28%から0.94%へと低下しました 。特にインデックス型は0.40%から0.21%へとほぼ半減しており、業界全体の低コスト化を主導しています。

つみたて投資枠やDC専用ファンドが健闘:インデックス型では「つみたて投資枠」、アクティブ型では「DC(確定拠出年金)専用」の10年リターンが各区分の中で首位となるなど、長期・低コスト路線のファンドの好成績が目立ちます。

 日本の資産運用の世界で、どの運用会社が実際に優れた結果を出しているのかを可視化する動きが一段と強まっています。金融庁による継続的な調査の流れを受け、QUICK資産運用研究所が公表した最新のKPI分析では、長期的にインデックス型がアクティブ型に対して優位にある構造が改めて示されています。

 今回の分析の特筆すべき点は、新規設定や償還されたファンドの影響も考慮した「10年単位」のパフォーマンスデータが整備されたことです。この長期視点で見ても、国内株式、先進国株式、グローバル株式の主要3分類すべてにおいて、インデックス型のリターンがアクティブ型の平均を一貫して上回る結果が示されています。例えば、TOPIXをベンチマークとする国内株式インデックス型とアクティブ型の10年リターン差は年率0.12ポイントとわずかですが、先進国株式では多くの運用会社でアクティブ型がインデックス型全体を下回っており、その差は国内株式よりも大きい傾向が示されています。

 背景には、新NISAの拡大に伴う個人投資家の急増と、運用の透明化を求める社会的な要請があります 。投資家の実際の売買損益を示す「インベスターリターン」が、ファンド自体の収益率を上回る傾向も確認されました。これは投資家による高値づかみや安値売りが減り、個人投資家が長期・分散投資をより上手に実践し始めている可能性を示唆しています。

 本質的な構造として、市場は「低コスト×分散」に資金が集中する性質を強めています。全ファンドの信託報酬の平均(残高加重平均)は、5年前の1.28%から0.94%へと低下しました 。特にインデックス型は0.40%から0.21%へとほぼ半減しており、この圧倒的なコスト差が、長期リターンの優劣における重要な要因の一つとみられています。また、信託報酬に加え、売買手数料などを含む総経費率も、インデックス型を中心に低減傾向にあります。

 この潮流は、金融ビジネスのあり方を「高コスト商品を売る金融」から、顧客の利益に直結する「運用成果を出す金融」へと変えようとしています。つみたて投資枠についてはインデックス型の10年リターンが国内株式以外で首位となり、アクティブ型でも国内株式と先進国株式でDC専用が首位を占めるなど、長期・積立・分散を前提とした商品設計の健闘が際立っています。

 今後、インデックスファンドの拡大が続く一方で、アクティブファンドには市場平均を上回る明確な強みと、それに見合うコスト設定がこれまで以上に厳しく選別されることになります。運用会社別の順位や実力差が白日の下にさらされる時代において、自らの運用スタイルと実績を数字で示し続ける、厳しい競争環境が続くとみられます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)