厚労省は年金納付率を公表 「85.1%」が示す制度の現実と地域差

2026年04月24日 17:56

画・「年金で生活できない」99%。支給予想年齢「70歳以上」64%。老後も「働く」8割超。

年金は払われているのか 最新納付率は85.1%、東京・大阪など都市部で低迷

今回のニュースのポイント

厚生労働省が国民年金保険料の納付率を公表:令和8年2月末現在の状況を取りまとめ、最新の納付状況を明らかにしました。

最終的な納付率は85.1%:令和5年2月分保険料の「3年経過納付率」は85.1%となり、前年同期の3年経過納付率と比較して0.3ポイント改善しました。

時間経過で納付率が上昇する傾向:令和5年2月分の場合、1年経過時点の81.4%から、2年で84.8%、3年で85.1%と、期限後も納付が進む実態が示されています。

顕著な地域差が浮き彫りに:島根県が92.6%、新潟県が92.5%と高い一方で、大阪府(80.2%)や東京都(82.0%)などの都市部は全国平均を下回っています。

 日本の年金制度の現状が、最新の数字として示されました。厚生労働省は2026年4月24日、令和8年2月末現在の国民年金保険料の納付率を公表しました。今回公表された納付率は、現役世代がどれだけ将来の支え手としての義務を果たしているか、制度の納付状況を示す指標です。

 発表によると、最終的な納付状況を見るための指標とされる「3年経過納付率」(令和5年2月分保険料)は85.1%でした。前年同期の3年経過納付率と比較して0.3ポイントのプラスとなっており、微増ながらも改善傾向が見られます。

 この納付率は、制度の維持に直結する数字です。賦課方式をとる日本の年金制度において、未納者が増えることは将来の給付財源の不安定化に繋がる可能性があります。最新データでは約8割半が納付している一方で、なおおおよそ15%分については3年経過時点でも納付が確認されていないという実態も浮き彫りになっています。

 今回のデータから見えてきた構造的な特徴の一つは、時間経過とともに納付率が上昇していく「後払い」の存在です。令和5年2月分保険料の推移を見ると、1年経過時点では81.4%でしたが、2年経過で84.8%、3年経過で85.1%へと上昇しています 。国民年金保険料は原則として納付期限から2年で時効を迎える一方、時効の中断などにより2年経過後も納付されるケースがあり、こうした追納が納付率のじわじわした上昇を支えています。

 さらに、地域によって納付意識や経済状況を反映した顕著な差が出ています。都道府県別で見ると、島根県(92.6%)や新潟県(92.5%)、富山県(92.1%)といった地方圏では9割を超える高い水準を維持しています 。一方で、大阪府(80.2%)、東京都(82.0%)、沖縄県(82.2%)、福岡県(82.5%)といった大都市圏を含む地域は全国平均(85.1%)を大きく下回っており、「地方高・都市低」の構図が鮮明です。

 本質的に、今回のデータは「制度は一定の改善を見せつつ維持されているが、不安定な要素も孕んでいる」という二面性を示唆しています。都市部での納付率の低迷は、将来的な無年金・低年金者の増加に繋がる懸念もあり、生活への影響は看過できません。

 今後は、このじわじわと改善する納付率をどこまで高められるかという点にあります。未納にとどまるおよそ15%分をどう縮小させるのか。非正規・フリーランスの増加など働き方の多様化に、制度側をどう適応させていくのか。持続可能な年金制度の構築に向けた課題は引き続き残されています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)