企業4社中3社が国内の産業空洞化を懸念

2011年08月04日 11:00

 過度な円高が日本企業の海外流出動向に拍車をかけるなど、国内産業の空洞化が懸念されるおりから、帝国データバンクが国内2万3065社を対象に産業空洞化に対する企業の意識調査を行った結果、回答があった1万1006社の76.5%にあたる8421社が空洞化を懸念していることが分かった。特に、製造業でその比率が高く、エリアでは東海地域で懸念する企業が目立った。また、自地域からの流出先では中国が56.9%と最も多かった。

 これは、帝国データバンクが7月19日から31日にかけて実施した。それによると空洞化に対する懸念の有無では8421社が有ると回答。無いは398社にとどまった。特に精密機械、電気機械、自動車関連の業種で懸念する企業が多く、少なかったのは農林水産業種の企業だった。それでも懸念する企業が6割を超えた。

 海外流出が加速する要因については「円高」をあげた企業が49.2%と約5割を占めて最も多く、次いで「人件費の高さ」(39.5%)「電力などエネルギーの供給問題」(37.9%)「税制」(28.3%)「取引先企業の海外移転」(26.5%)などが続いた。

 こうした中で日本や地域発展に重要な施策を複数回答してもらった結果では、1位に「早期の震災復興」(67.7%)があがり、次に「法人税減税など法人向けの税制」(49.5%)や「デフレ対策」(36.8%)を上げる企業が多かった。
(編集担当:福角忠夫)