「調整局面」は訪れず4日続伸で9100円台

2012年11月20日 11:00

 前週末のNYダウは45ドル高だったものの、19日の朝方はドル円81円台前半、ユーロ円103円台後半と為替は16日朝とほぼ同じ水準で、円安進行は止まった。安倍晋三自民党総裁の発言を材料に日経平均が2日で4.1%、359円も上がり9000円台を回復した前週末を受けて、上がりすぎ警戒感から日経平均は「調整局面」でスタートするかと思われた。ところが新規の海外機関投資家の買いも集まって9141円、117円高の3ケタ上昇でスタートし、その後はさすがに利益確定売りが入って安値が9135円まで切り下がったが、売り買いが交錯して上値は重くもみあいながらも目立った下落局面はなく結局、4日続伸。129.04円高の9153.20円で引けて、2ヵ月ぶりに9100円台を回復した。チャートは終値が始値より高い陽線(白いローソク足)を維持し、3日連続で大きな「窓」が開いた。東証1部売買代金は1兆2168億円と、値動きと同様、前週末と比べてやや落ち着いた。値上がり銘柄は1355もあり、幅広く買われている。

 セクター別では日立 <6501> など電機、野村HD <8604> など証券、電力、鉄鋼の他、JT <2914> などディフェンシブ系の食品株も今日は買われたが、前週末非常に好調だった建設の一部に後場、売られるものが出た。

 今日の主役は前週14日に東証1部の値上がり率、売買高、売買代金の「三冠王」に輝き、東証が16日から信用取引残高の「日々公表銘柄」に指定したアイフル <8515> 。14日以降、市場環境は激変したものの、業績V字回復と日銀の追加金融緩和を背景とする活発な商いは衰えていない。59円高のこの日は値上がり率は4位で、売買高1位はみずほFG <8411> に譲ったが、売買代金は382億円で1位だった。