被災した保護動物の情報公開支援の取り組みを富士通などが開始

2011年07月26日 11:00

 日本マイクロソフトと富士通は、東日本大震災の被災地で保護された犬、猫などの動物の情報をクラウド基盤に集約するとともに公開可能な環境を提供し、元の飼い主との再会や、飼い主を失ったペットの新しい飼い主探しを支援する取り組みを開始した。

 同取り組みでは、宮城県緊急災害時被災動物救援本部が保有する保護動物のデータを、富士通のクラウド基盤から提供する「被災動物救護支援サービス」に集約したうえで、日本マイクロソフトがポータルサイトMSNR上で公開している「MSNペットサーチ」とシステムを連携。現在、宮城県の石巻動物救護センターなどで保護されている約50頭の動物の情報が公開されており、今後、順次掲載情報を充実させる予定だという。

 これにより震災で被災され、ペットと離れ離れになった飼い主は、MSNペットサーチ上から、自身のペットが保護されていないかどうかを確認することができる。また震災により飼い主を失った動物の新しい飼い主になることを希望する方は、同サイトより動物を保護している団体などへ連絡を取ることができる。

 「MSNペットサーチとは、日本マイクロソフトが緊急災害時動物救援本部との連携により4月14日より運営しているサービス。東日本大震災の影響によって飼い主と離れ離れになった動物の情報を、各動物保護団体より集約して公開することにより、元の飼い主との再会や、新しい飼い主探しを支援している。PCもしくはインターネットが閲覧可能な携帯電話などから無料で利用可能だという。また「被災動物救護支援サービス」は、富士通が宮城県獣医師会向けに、5月2日より提供しているサービス。被災した動物の情報を独自のクラウド基盤に集約し、救援本部による公開を支援している。

 両社は今後、より多くの自治体、動物保護団体に対して本システムの利用を働きかけることにより、保護動物の情報集約と充実を進め、元の飼い主との再会や、新しい飼い主探しを支援。将来的には被災動物に限らず、飼い主を失った動物の情報を掲載することを検討しており、これらの情報を恒常的に集約・公開することにより、日本国内での保護動物の殺処分件数の低減に貢献することを目指す。