乳幼児家庭の防災、備蓄は十分? 98.7%が重要と回答も「十分できている」は3.4%

2026年07月19日 09:38

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子どもと外出する親子。乳幼児家庭では防災の重要性を認識する人が多い一方、ミルクや水など授乳に必要な備蓄は十分に進んでいない実態が調査で明らかになった。(資料写真)

今回のニュースのポイント

地震や豪雨など災害への備えが求められる中、乳幼児がいる家庭では防災の重要性を認識しながらも、実際の備蓄が十分に進んでいない実態が明らかになりました。明治が妊娠中または2歳未満の子どもがいる女性464人を対象に実施した調査では、防災が重要と答えた人は98.7%に上った一方、「十分に備蓄できている」と回答した人は3.4%にとどまりました。

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 地震や豪雨などの自然災害が相次ぐ中、乳幼児のいる家庭における防災対策への関心は極めて高い水準にあります。株式会社明治が展開する「明治ほほえみ防災プロジェクト」の一環として実施した調査によると、乳幼児家庭における防災対策の重要性について「とても重要」または「ある程度重要」と回答した人は合わせて98.7%に達しており、ほぼ全ての保護者がその必要性を強く認識していることが分かりました。

 しかしその一方で、実際の乳幼児のための防災備蓄について「十分にできている」と回答した人はわずか3.4%にとどまり、「ある程度できている」を合わせても24.5%という低い水準にとどまっています。防災の重要性を認識しているという意識と、実際の備えという具体的な行動との間には、非常に大きなギャップが存在している実態が浮き彫りになりました。特に初めての出産を控えた妊娠中のプレママ層では、「ほとんどあるいはまったくできていない」という回答が47.1%にのぼり、子育て中の世帯よりも備えの遅れが深刻化しています。備蓄が進まない主な理由としては、日々の忙しさからつい後回しになってしまうことや、具体的に何をどれくらい備えればよいのか分からないといった情報不足が上位を占めています。

 この備蓄不足の実態を品目別に細かく検証すると、準備されている物資の偏りが顕著に見られます。乳幼児向けの必需品とされる3品目のうち、3日分以上の量を備えていると答えた割合はおむつが51.7%と半数を超えているのに対し、粉ミルクや液体ミルクは31.5%、調乳や飲料に用いるミルク用の水は29.3%という低い割合にとどまりました。おむつの備えと比較して、ミルクや水の準備は大幅に遅れているのが現状です。さらに、粉ミルクや液体ミルクを「ほとんどあるいはまったく備えていない」と回答した世帯は41.8%、水については42.9%といずれも4割を超えており、災害時の赤ちゃんの栄養や水分補給に直結する重要な物資が十分とは言えない家庭が少なくありません。

 このような備蓄の遅れは、災害時に発生する停電や断水といった過酷なインフラ停止状況において、深刻な授乳の不安へと直結します。同調査では、災害によってお湯や水が使えなくなった場合の授乳に対して、実に94.6%の人が不安を感じると回答しました。この傾向は、現在ミルクのみで育児を行っている家庭で特に深刻です。停電や断水時に普段通りの授乳ができると思うかという問いに対し、ミルクのみで育児をしている家庭の61.2%が「ほとんどできない」または「まったくできない」と回答しており、母乳のみで育児をしている家庭の12.0%と比較して大きな差がみられました。災害時には停電や断水によって授乳環境が大きく変化する可能性があるため、平時から必要な物資を備えておくことが重要となりますが、多くの家庭が具体的な対応策を見出せないまま不安を抱えている実態があります。

 こうした課題を解決するため、内閣府の防災情報のページや農林水産省の食品備蓄ガイドラインなどでは、特別な準備を身構えて行うのではなく、日常生活の中で無理なく備えを維持するローリングストックという手法を広く推奨しています。これは、普段から使用しているミルクやおむつ、水などの日用品や食品を少し多めに買い置きし、賞味期限や使用期限の古いものから日常的に消費し、使った分をその都度補充していく備蓄方法です。

 今回の調査でも、日常の生活空間と非常時の境界をなくすフェーズフリーやローリングストックの考え方をよく知っている人ほど、日常生活の中に防災を意識した備えを取り入れている割合が高いという傾向が示されています。乳幼児家庭では、ミルクや水など授乳に必要な備蓄がまだ十分とは言えない実態がありますが、日頃から必要な物資を少し多めに備え、使いながら補充するローリングストックを実践することが、非常時における赤ちゃんの安心を支える現実的な備え方の一つとなりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)