医薬品のネット通販 推進・反対ともに要望活発

2011年07月13日 11:00

 インターネット通販など郵便による一般用医薬品の販売に対する規制緩和に向けた内閣府と厚生労働省との政務官レベルの折衝が始まっているが、合意に至っていない。一方で、規制緩和推進や反対への要請活動が府省の折衝再開と同時に活発化している。

 先月、医薬品通信販売の解禁をめざす民主党の議員連盟(衆議院議員51人、参議院議員8人で構成)が菅直人総理らに一刻も早い規制緩和を要請したのに対し、日本薬剤師会や全国消費者団体連絡会、全国薬害被害者団体連絡協議会は「安全性より利便性を優先させる規制緩和に反対する」との署名を集め、菅総理らに提出した。

 署名は今年2月から5月にかけて実施したとしており、集まった署名は54万278人だった、という。提出された署名では「インターネット販売業者等は高齢者や障害者、離島居住者などの利便性が損なわれるとしているが、これらの方々にこそ、専門家の指導による適切な医薬品の使用が強く求められる」とし、「安全性を無視して消費者が単に利便性を求めているとの(インターネット販売業者等の)主張は、結局、消費者をないがしろにする主張」と反論。

 「政府の行政刷新会議で検討されている一般用医薬品のインターネットなどの販売規制の緩和については、こうした国民の声を踏まえ、再考頂くよう強く要望する」と規制緩和しないよう要望している。
(編集担当:福角忠夫)