伊藤忠商事4日、仏「ニナ・リッチ(Nina Ricci S.A.R.L.)」と、日本市場における「ニナ・リッチ(Nina Ricci)」ブランドの独占輸入販売権とマスターライセンス権に関する独占契約を締結したことを発表した。
ニナ・リッチ社は、1932年創業の老舗メゾンであり、現在はスペインの大手香水会社プーチ・ビューティ&ファッション・グループの傘下に属する。本社をパリのモードの中心地であるモンテーニュ通りに構えており、そこにプレタポルテ、バッグ、シューズ、アクセサリーなどを手がける旗艦店を併設。2010年春夏シーズンのパリコレより、かつてルイ・ヴィトンのシニアデザイナーを務めていたピーター・コッピングをクリエイティブディレクターに起用している。
日本における「ニナ・リッチ」ブランドはこれまで、インポートとライセンスのビジネス展開を合わせて小売上代ベース70億円程度の規模となっていたが、今回の独占契約の締結によって、伊藤忠商事が培ってきたブランドビジネスにおけるノウハウと実績をベースに、インポートとライセンスとの相乗効果を発揮することを目指す。コロネット(本社:大阪市中央区)を通じて販売を開始するインポートに関しては、2012年春夏物より百貨店、専門店、セレクトショップでの販売を予定しており、5年後には小売上代15億円に拡大する計画だ。
ライセンス展開では、ブラックフォーマル、婦人革小物、婦人ハンドバッグ、ネクタイ、ハンカチーフ、ジュエリーなどに加え、新たに紳士バッグ、革小物、紳士ベルト、紳士・婦人パジャマなどを予定。幅広い選択肢を準備することによって、5年後には売上高を小売上代85億円に拡大する予定だという。伊藤忠商事は今回の発表で、インポートとライセンスのトータルで合計100億円の規模を目指し、3から4年後には旗艦店の開設も視野に入れていることを伝えている。