今回のニュースのポイント
国土交通省は26日、橋梁やトンネルなどの点検結果や修繕状況をまとめた2025年度の「道路メンテナンス年報」を公表しました。今回から新たに公表された2025年度の道路陥没発生件数は全国で計1万1,227件に上りました。一方で、建設後50年以上が経過した橋梁は約24万橋まで増えたものの、早期・緊急に修繕等の措置が必要な橋梁数は着実に減少しており、予防保全への移行が進んでいます。ただし、地方公共団体が管理する橋梁では修繕等の措置着手に遅れが残っており、維持管理と並行して施設の集約・撤去・機能縮小を検討する動きが97%の自治体に広がっています。
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国土交通省は26日、全国の道路管理者が実施した点検結果や修繕等の進捗状況をまとめた2025年度の「道路メンテナンス年報」を公表しました。
今回の年報では、新たに道路陥没の発生件数とその要因が盛り込まれました。2025年度に全国で発生した道路陥没(ポットホールを除く)は、国が管理する直轄国道で101件、都道府県管理道路で1,282件、市町村管理道路で9,844件の計1万1,227件となりました。国交省によると、陥没要因は多岐にわたるものの、道路排水施設や下水道、上水道といった水が流れる施設を要因とする件数が多く、中でも道路排水施設の割合が高くなっています。市町村管理道路の9,844件では、道路排水施設が要因のものが4,054件、下水道が1,210件でした。なお、全体の陥没件数には要因未確定のものが多数含まれており、すべての陥没が老朽化に直接起因しているわけではありません。
この道路陥没について、都市部では異なる傾向がみられます。国交省の分析によると、全道路の傾向と比較して、都市部では道路占用物件を要因とする陥没の割合が高く、特に下水道が要因となるケースが目立ちます。政令指定都市が管理する道路(2,455件)では下水道に起因する陥没が546件、特別区が管理する道路(198件)では、道路占用物件を要因とする陥没が49%を占め、このうち下水道が89件と最も多くなりました。
また、国交省が2025年度に直轄国道で実施した路面下空洞調査(調査延長2,788km、対象延長の約12%)では、計8,419カ所の空洞が確認されました。このうち「路面陥没の可能性が高い」とされる区分A判定は194カ所(全体の約2%)であり、残りは中程度の区分Bが3,842カ所、低い区分Cが4,383カ所となっています。区分A判定の194カ所については、2026年8月26日時点ですべて修繕等の措置が完了しています。
道路インフラ全体の老朽化に目を向けると、建設後50年以上が経過した橋梁は2018年度末の約13万橋(27%)から、2023年度末に約21万橋(39%)、2025年度末には約24万橋(44%)へ増加しています。
しかし、建設後50年以上の橋梁が増加する一方、早期・緊急に措置が必要と判定された橋梁数は減少しています。最新の点検結果によると、橋梁全体の健全度は判定Ⅰ(健全)が44%、判定Ⅱ(予防保全段階)が49%を占めます。早期に措置を講ずべき「判定Ⅲ」と緊急に措置を講ずべき「判定Ⅳ」を合わせた要修繕橋梁数は、2018年度末の6万9,051橋から、2023年度末に5万6,463橋、2025年度末には5万1,046橋へと年々着実に減少しています。国交省は、深刻な不具合が生じる前に手当てを行う予防保全への移行に向け、修繕措置が着実に進捗していると評価しています。
課題として浮き彫りになったのが、地方公共団体における修繕対応の遅れです。2巡目点検(2019~2023年度)で判定Ⅲ・Ⅳと診断された橋梁について、2025年度末時点の修繕着手率を比較すると、国土交通省が91%、高速道路会社が79%であるのに対し、地方公共団体は69%にとどまっています(完了率は国52%、会社52%、自治体45%)。国は判定Ⅲ・Ⅳの施設について次回点検までの5年以内に措置を講じるよう求めていますが、地方公共団体では5年以上経過しても未着手の橋梁が約2割存在します。特に地方自治体の内訳を見ると、都道府県・政令市等の着手率が81%であるのに対し、市区町村では63%にとどまっており、管理主体による差が顕著となっています。
一方、道路施設そのものを見直す動きも広がっています。地方公共団体のうち、道路施設の「集約・撤去・機能縮小等」の検討を実施している割合は、2020年度末の18%から毎年上昇し、2025年度末時点では全1,788団体のうち97%にあたる1,733団体に達しました。国の道路メンテナンス事業補助制度を活用して実際の集約・撤去等に取り組んだ自治体も、2020年度の83団体から2025年度には124団体へ増加しています。
日本の道路インフラは、建設から半世紀を超える構造物が増え続ける局面を迎えています。早期・緊急措置が必要な橋梁数が減少し修繕自体は着実に進む一方、自治体現場では対応の遅れという実務上の課題も残されています。全国の1万件超の道路陥没や地下空洞へのきめ細かな対応を進めつつ、既存インフラを修繕・維持するだけでなく、施設の集約・撤去・機能縮小も含めて維持管理のあり方を見直す視点が、今後さらに重要になります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













