7月1日より9月22日の平日に実施される東京電力管内の電力使用制限に対し、住宅メーカー4社が輪番操業制で対応することを28日に発表した。参加するのはエス・バイ・エル、トヨタホーム、パナホーム、ミサワホームの4社で、すでに合意に達しており、経済産業省・関東経済産業局に申請を提出している。同業事業者間にまたがる制度導入は、業界内連携の先導的な事例となるという。
発表された4社の東京電力管内に所在する契約電力500kW以上の大口需要6工場は、新築住宅の部材生産を担当しており、電力使用制限期間内の7~9月に住宅部材製造の繁忙期を迎えるため、期間・時間帯における使用最大電力(1時間単位)15%削減への対応を各社単位で実施するよりも、供給能力を確保しながらも各社の総量で抑制可能な輪番操業制にメリットがあると判断し、導入が決定した。
この輪番操業制は、正式名称を「共同使用制限スキーム」といい、複数の電力需要工場の連携による抑制達成の取り組みを特例として認めるスキームで、参加する各工場の昨夏における1時間ごとの使用電力の合計値を足し上げ、その最大値から15%削減した電力使用量を上限とするもの。参加各社はその範囲内で電力使用を抑制できるよう各工場の輪番休日の組み合わせを行う。
期間中の各社の輪番休日は、テクノエフアンドシー 沼田工場(ミサワホーム・グループ会社)が月曜日、パナホーム 筑波工場が火曜日、エス・バイ・エル住工 つくば工場(エスバイエル・グループ会社)と入江工営 土浦工場(パナホーム・グループ会社)が水曜日、トヨタホーム 山梨事業所および栃木事業所が木・金曜日となっている。今夏の電力需給の逼迫に対し、今回発表された輪番操業制によって同業各社が協力して対応を行っている格好だ。