東日本大震災の影響によって懸念されている今夏の電力供給不足に対する対策として、各業界の大手企業が様々な施策を発表している。そんな中、アサヒビールが東京電力・東北電力管内において同社グループ全体で消費電力15%を図る取り組みの概要を、29日に発表した。
このたび発表された取り組みの内容は、東京電力管内にある500kw以上の大口事業場(アサヒビールの本部ビルや茨城工場、アサヒ飲料の富士山工場、ニッカウヰスキーの柏工場など、計10事業場)では、グループで共同スキームを組むことによるピーク電力の削減や、7月1日~9月22日(平日の9時~20時まで)の期間での輪番休日の実施、工場見学を実施している工場について、平日の休業や休日の回数の削減などを実施する。東北電力管内の500kw以上の大口事業場(アサヒビールの福島工場およびニッカウヰスキーの仙台工場の計2事業場)では、同期間において製造時間を休日や夜間にシフトするなどの施策を行う。
さらに、500kw未満の小口事業場やテナントビル事業場などでは、照明設備の間引きや明るさ制限、冷房設定温度のアップ、エレベータやPC、電話機などの電気機器の使用台数削減、ノー残業の励行などを実施し、各事業場単位で電力の削減に努める。そのほか、社員の働き方の見直しも含め、グループを挙げての節電対策の実施も計画しており、グループ社員に対し、家庭でできる節電対策についてのアンケートを実施し、挙がってきた節電の具体策をグループ内に告知することで家庭における自主的な節電を促すなど、幅広い対策を実施するという。