電力需給の逼迫が予想される夏を目前に控え、大手企業各社はこぞって使用電力の削減を目的とした自主的な取り組みを発表、実施している。そんな中、凸版印刷は28日に、今夏の使用電力の抑制に向けた取り組みを本格的に開始すると発表した。発表された取り組みによって同社は、政府が設定した使用制限値としている15%を上回る使用最大電力の抑制を実現するという。
主な取り組みとしては、対象管内の工場や営業拠点における不要照明の消灯やLED照明への切り替え、空調温度の28℃設定などが挙げられる。まず、各営業拠点、研究拠点においては、トッパンコスモが販売している遮熱フィルム「ウィンドウフィルム」を対象管内のすべての営業拠点の窓へ導入することを決め、これによって空調負荷を低減させ、約10%の電力を削減させることを目指す。さらに、デスク周辺の照明として事務部門へ約200台のLEDスタンドを導入し、導入したフロアの照明電力を約10%削減する。その他、ゴーヤや朝顔などのつる性植物を日射のある窓の外に這わせてカーテンとして活用し、室温の上昇を抑えるなどの取り組みも行っていく。
続いて各工場や物流拠点においては、各工場の一部ラインで他地域への生産移管や勤務シフトによる休日・夜間の稼動増強などを行い、生産への影響を最小限に抑えながら使用電力のピークカットを図る。さらに、工場建屋への遮熱塗料の施工や出版・商業印刷物の生産5工場での社内輪番生産体制の構築など、様々な施策を行うことで、大幅な使用電力の抑制を目指す。