Nscale、AIインフラ拡張へ33.6億ドル調達 電力からGPUまで垂直統合

2026年09月26日 07:52

AIデータセンター

液冷設備や電力供給設備を備えたAIデータセンターのイメージ。Nscaleは33億6000万ドル規模の資金調達を通じ、電力供給設備から液冷AIデータセンター、大規模GPUクラスターまでを含む垂直統合型AIクラウド基盤の拡張を進める。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

AIインフラ事業を手掛けるNscaleは9月25日、新規株式公開(IPO)前の資金調達として、転換型ローンノートにより総額33億6000万ドルを調達すると発表しました。当初トランシェの23億6000万ドルに加え、米NVIDIAが10億ドルをコミットメントしており、2026年11月中旬に拠出される予定です。調達資金は、データセンター側の電力供給設備から液冷AIデータセンター、大規模GPUクラスターまでを含むAIクラウド基盤の拡張に充てられます。

本文
 AIクラウドおよびデータセンターインフラを手掛けるNscale(エヌスケール)は9月25日、IPO前の資金調達として、転換型ローンノートにより総額33億6000万ドルを調達すると発表しました。

 今回の資金調達はThird Pointが主導し、NVIDIAのほか、Apolloが運用するファンド、Citadel、Hudson Bay Capital、Abu Dhabi Investment Council、8090 Industriesなどが参加しました。プレースメント・エージェントはゴールドマン・サックス(Goldman Sachs & Co. LLC)が務めています。発行される転換型ローンノートは、同社が将来的にIPOを完了した段階で普通株式へ自動転換される仕組みです。

 資金調達の規模は、クロージング時に実行される当初トランシェの23億6000万ドルと、NVIDIAによる10億ドルのコミットメントで構成されています。NVIDIAからの10億ドルは2026年11月中旬に資金拠出される予定となっており、現時点で全額の入金が完了したものではなく、計33億6000万ドル規模の調達枠組みとしての発表となります。

 Nscaleは今回の調達資金の活用先として、電力確保からデータセンター構造、コンピューティング設備までを垂直統合するAIクラウド基盤の拡張を挙げています。具体的には、データセンター側の電力供給設備(behind-the-meter power plants)から、液冷AIデータセンター、大規模GPUクラスターまでを含む垂直統合型AIクラウド基盤の拡張を加速するとしています。同社は、ソフトウェア、コンピューティング、電力を組み合わせた垂直統合型のAIクラウド基盤を展開しています。

 また、同社は今回の発表の中で、同社のTCV(Total Contracted Value、契約総額)が1030億ドルを超えたことも公表しました。ただし、この数字は同社が示す契約総額であり、現時点での売上高や今回の資金調達額を指すものではありません。

 AIインフラの構築を巡っては、大規模なGPU群の確保と同時に、電力の安定調達や高密度設備の冷却インフラ、データセンターの建設・運営能力が課題となっています。同社は今回の33億6000万ドル規模の調達を通じて垂直統合型の基盤整備を進める方針ですが、今回の発表において新設する発電設備やデータセンターの具体的な所在地、電力容量(メガワット数)、GPUの導入台数などの詳細数値は明らかにしていません。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)