住友化学、屈折率1.06の透明薄膜材料を開発 光電融合・次世代半導体向け

2026年09月24日 16:16

住友化学イメージ

住友化学が開発した超低屈折率の透明薄膜材料のイメージ。薄膜内部にナノレベルの細孔を均一に分散させ、波長550nmで屈折率を1.06~1.36に制御できる。CMOSイメージセンサーや光電融合デバイスの光接続部などへの応用を想定する。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

住友化学は9月24日、基材に塗布して加熱やUV照射を行うことで、屈折率1.06の透明薄膜を形成できる塗工液タイプの光学材料を開発したと発表しました。膜内部にナノレベルの細孔を均一に分散させる技術により、可視光領域で99.9%の透過率と300℃の耐熱性を実現。2026年中を目処にサンプル提供を開始し、CMOSイメージセンサーの集光部や光電融合デバイスの光接続部などへの応用を中心に展開します。

本文
 住友化学は9月24日、基材への塗工と加熱・UV(紫外線)照射によって超低屈折率の透明薄膜を形成できる新たな光学材料を開発したと発表しました。本材料は常圧の塗工プロセスで製膜可能な塗工液タイプで、塗工液の組成や成膜条件の調整により屈折率を1.06から1.36の範囲で制御できます。同社によると、常圧環境下で無色透明な薄膜を形成できる材料としてはトップクラスの超低屈折率水準を達成したとしています(2026年8月時点、住友化学調べ)。

 今回開発された材料は、塗膜内部にナノメートルサイズの細孔を均一かつ高密度に分散させる独自技術を活用しています。波長550nmにおける屈折率は1.06〜1.36で、可視光全域(400〜700nm)において膜厚1μm当たり99.9%の全光線透過率と、0.1%未満の低ヘイズ(くもり度)を両立しています。さらに、300℃の耐熱性を備え、有機溶剤(アセトン)に10分間浸漬させた後も膜厚や光学特性に変化がない高い耐溶剤性を確認しています。
 
 想定する用途としては、CMOSイメージセンサーの集光部や、AR・VR向け次世代ディスプレイ、微細構造で光を制御する平面レンズ「メタレンズ」の構成部材などが挙げられます。メタレンズは、高屈折率材料の微細な柱状構造を並べ、その間を低屈折率材料で埋めた平面型レンズで、従来のレンズと比べて大幅な薄型化が可能とされています。

 さらに、光電融合デバイスの光接続部への応用も想定しています。光電融合は、電気回路と光回路を一体化して信号伝送を光に置き換え、消費電力を抑えながら高速・大容量のデータ通信を可能にする技術です。住友化学は本材料を、次世代半導体やデータセンター向け技術に関わる製品群として展開する考えです。

 住友化学は今回の開発品について、2026年中を目処に顧客へのサンプル提供を開始する予定です。今後はCMOSイメージセンサーや光電融合分野などを中心に用途開発を進め、既存の高屈折率材料から超低屈折率材料に至る光学材料ポートフォリオの拡充を図ります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)