今回のニュースのポイント
英国政府は9月29日、電力ネットワークへの投資を担う新たな公的組織「Great British Grid(GBG)」を政府系エネルギー企業Great British Energy内に設けると発表しました。GBGは公的資本を活用し、民間投資家と共同で重要な電力ネットワーク設備へ投資します。英国政府は電力網を、クリーン電力への移行や経済成長を阻む最大級の障害の一つと位置付けています。同時に系統接続制度の改革を進めており、これまでに接続待ちキューから300GWを超える投機的な容量を除去したとしています。
本文
英国政府は9月29日、電力ネットワークへの投資を本格化させるための公的組織「Great British Grid(GBG)」を政府系エネルギー企業Great British Energy内に設けると発表しました。公的資本と民間資金を組み合わせることで電力ネットワーク設備への投資を促進するとともに、系統接続制度の改革を通じて、新規の発電設備や企業が電力網へ接続するまでの期間短縮を図る方針です。
英国政府は今回の発表で、電力網をクリーン電力への移行と経済成長を阻む最大級の障害の一つと位置付けています。家庭や企業の需要増、新たなクリーン電源の接続に対応するには、電力網を大規模に拡張・近代化する必要があるとしており、接続制度の改革も進めています。
GBGは、既存の政府系エネルギー会社であるGreat British Energyの内部に新たな公的組織として設置されます。公的資金を活用しつつ、民間投資家と共同で重要な電力ネットワークインフラへの投資を実施します。なお、GBGは既存の送電事業者や電力ガス市場規制庁(Ofgem)、全国エネルギーシステム運用機関(NESO)などを代替・再編するものではなく、既存の機関や民間投資を補完する役割を果たすとしています。立ち上げ初期の費用はGreat British Energyの既存予算を活用し、長期的な予算規模については今後の支出見直し(Spending Review)において検討される見通しです。
さらに英国政府によると、NESOやOfgemと進める接続制度改革の一環として、接続キュー(順列)を見直し、これまでに300GWを超える投機的な容量を接続待ちから除去しました。
また、企業や開発事業者が一定の条件のもと、接続に必要な設備を自ら建設できる仕組み(セルフビルド接続)の拡大も盛り込まれました。英国政府は、同様の制度を導入したアイルランドにおいて、接続期間が最大で11カ月短縮されたとしている実績を提示しています。
併せて英国政府は、送電プロジェクトの競争入札を加速し、GBGを含むより幅広い組織が新たなネットワークインフラの整備を競えるようにする方針です。
英国政府は、発電設備の拡充と並行して電力ネットワークへの投資と系統接続制度の改革を一体で進めます。GBGを通じた公的資本の投入と民間資金の活用により、電力ネットワークへの接続期間の短縮とインフラ基盤の強化を進める方針です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













