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住友電気工業は9月28日、高圧直流(HVDC)海底ケーブルの異常を早期検知する技術の開発において、両端からの測定により最大600kmにわたるリアルタイム・常時監視を可能にするシステムを開発したと発表しました。極低損失光ファイバや遠隔励起方式の光ファイバ増幅器(EDFA)などの長距離光伝送技術を活用し、従来100km以下に限られていた分布型音響センシング(DAS)装置の計測距離を300kmまで拡大しました。同社によると世界初の成果となります。淡路島近海で行われた実証試験では、262.2km付近でアンカーを模した重りをケーブルに落下させて外部衝撃を与えた際、実際の衝撃位置との誤差68.4mという精度で検知に成功しました。
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住友電気工業は9月28日、自社の長距離光伝送技術とAP Sensing社(ドイツ)の分布型音響センシング(DAS)装置を組み合わせ、最大600km規模の高圧直流(HVDC)海底ケーブルの外傷などの異常を早期検知するシステムを開発したと発表しました。HVDC海底ケーブルに一体化された光ファイバに伝わる微小な振動を捉え、船舶の錨や漁具の接触などに伴う異常発生位置をリアルタイムで特定する技術です。同社によると、この規模での常時監視技術の開発成功は世界初となります。
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、海を隔てた地域間を結ぶHVDC海底ケーブルは大容量化とともに数百kmを超える長距離化が進んでいます。一方で、大部分が海底に敷設されるため目視や継続監視が困難であり、第三者による損傷事故が発生した際には故障地点の特定や海底調査に長時間を要し、電力供給の停止が長期化することが懸念されていました。従来用いられてきた電気的な「マーレーループ法」では事故発生後に測定装置を設置する必要があり、測定誤差はケーブル全長の約1%(600kmのケーブルで約6km)に及ぶため、調査範囲の広さが課題とされていました。
AP Sensing社のDAS装置は、光ファイバのわずかな振動を捉えて異常箇所をリアルタイムで検知できる一方、従来の計測距離は約100km以下に限られていました。住友電工は、極低損失光ファイバ「Z-PLUS Fiber 130ULL」や、遠隔励起方式のエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)を適用することでDASの計測距離を片側300kmまで拡大しました。電力ケーブルの両端から計測を行うことで、全長最大600kmの監視をカバーします。
600kmの測定距離に対する位置検知誤差は理論上200m(0.03%)以下に抑えられます。淡路島近海でHVDC海底ケーブルに一体化された光ファイバを用いて実施された実証試験では、262.2km付近でアンカーを模した重りを落下させて外部衝撃を与えたところ、実際の衝撃位置との誤差は68.4mとなりました。また、遠隔励起方式を採用したことでEDFAを動作させるレーザー装置や電源を海底部に設置する必要がなく、これらに起因する故障リスクを低減できるほか、レーザー装置を陸上に配置できることでメンテナンス性の向上と長期運用を実現するとしています。
今回の技術開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務による成果です。住友電工は本システムで用いる要素技術について長年の実績があり早期の商用化・実用化が期待できるとしており、現在は他の監視技術との融合によるさらに高度な総合監視技術の開発可能性も検討しています。なお、本成果をまとめた論文は、電力システム分野の国際組織CIGRE(国際大電力システム会議)の2026年パリ大会において最優秀論文賞(B1 PS1部門)を受賞しました。
長距離HVDC海底ケーブルの損傷事故はエネルギー安全保障上の懸念事項となっており、迅速な故障位置特定と復旧作業の短縮による供給停止時間の抑制が求められています。住友電工は監視技術の実用化を通じ、設備の状態可視化や異常の早期検出を実現し、レジリエンス向上と資産保護につなげる考えです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













