富士フイルムと三菱商事は20日、医薬品市場で拡大が見込まれるバイオ医薬品の受託製造事業において業務提携することを決定し、富士フイルムの100%子会社であるバイオ医薬品受託製造会社「FUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(米国、以下:FDBUS社)」と「FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(英国、以下FDBUK社)」2社の発行済み株式20%を三菱商事に譲渡する契約を締結したことを発表した。
FDBUS・FDBUK両社は富士フイルムが米国Merck & Co., Inc.社からの買収によって平成23年4月1日に設立した、バイオ医薬品の受託製造で多くの実績を持つリーディングカンパニーである。両社は、動物細胞や微生物を利用してバイオ医薬品に使われるタンパク質を効率的に産生する高度なバイオテクノロジーを有しており、また、タンパク質の高回収率を実現する抽出・精製のプロセスの開発力、解析力、人材的資源や製造設備を備えている。今回の業務提携によって、富士フイルムは両社の株式を三菱商事に譲渡し、業務提携することで両社の事業体制のさらなる強化、バイオ医薬品受託事業の拡大を目指す。一方、三菱商事は、バイオ医薬品を含む医薬品ビジネスでの長年の経験を生かすとともに、同社が持つグローバルな営業ネットワークやマーケティング機能を活用して、新規顧客獲得などの営業力の強化を図るという。