東日本大震災復興基本法案が20日、参議院本会議で採決され、賛成219票(民主、自民、公明、たちあがれ日本・新党改革、社会民主党・護憲連合、国民新党など賛成)、反対17票(みんなの党と日本共産党が反対)となり、賛成多数で可決、成立した。
枝野幸男官房長官は同日夕、「政省令、事務局の立ち上がりなど手続きに数日かかると思う」と語り、復興担当大臣の任命については「総理の専権事項だが、(こうした手続きに要する日程をふまえて)対応されると思う」と菅直人総理が復興担当大臣を任命するのは数日後になるとの見通しを示した。
同法は「復興のための資金の確保」をはじめ「復興特別区域制度の整備、その他の基本となる事項」を定めているほか、「復興対策本部の設置(本部長に総理大臣が就任する)」、復興に関する施策の企画、立案、総合調整から施策の実施に関する事務を行う「復興庁の設置」など、「復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的」として制定された。
また、復興の財源確保には「復興とこれに関連する施策以外の施策に係る予算を徹底的に見直し、歳出の削減を図ること」や「財政投融資に係る資金及び民間の資金の積極的な活用を図ること」を第7条で定めるとともに、8条で復興債の発行をみとめ、8条2項であらかじめ償還の道筋を明らかにすることとした。政府にとっては償還の方法が最も苦労するところとみられるが、同法の成立によって、ようやく、復興への体制づくりができることとなった。(編集担当:福角忠夫)