今回のニュースのポイント
英国国防省が10月1日に公表した2026年版「MOD trade, industry and contracts」統計によると、2025/26年度に同省本省から国内外の企業や組織へ支払われた総額は前年度比27億ポンド増の434億ポンドとなりました。物価変動を考慮した実質ベースでも前年度比3.2%増となっています。既存契約を含む支払い全体のうち、非競争(単独調達)方式による支払いは47%(205億ポンド)を占め、前年度の45%から上昇しました。また、同年度の新規契約(暫定値)は2221件・164億ポンドとなり、件数ベースで51%(1134件)、金額ベースで41%(68億ポンド)が非競争方式で締結されました。調達支出全体の40%が上位10社に向けられ、BAEシステムズ単独で全体の16.5%を占めました。
本文
英国国防省は10月1日、2025/26年度における同省本省の産業支出や契約状況をまとめた公式統計を公表しました。同年度に国防省本省から英国および海外所有の企業や組織へ支払われた総額は434億ポンドに達し、前年度から27億ポンドの増加となりました。国防省本省から英国および海外所有の企業・組織への支払いが、実質ベースでも前年度を上回ったことを示しています。
契約の調達方式をみると、既存契約を含む国防省からの支払い総額のうち、非競争(単独調達)方式による支払いが全体の47%にあたる205億ポンドを占め、前年度の45%から拡大しました。非競争方式による支払い増加額21億ポンドのうち半分以上は、ロールス・ロイスおよびBAEシステムズとの契約による支出増加が寄与しています。具体的には、ロールス・ロイスにおける原子力潜水艦用原子炉の設計・製造・支援に関する「Unity」契約や、BAEシステムズが参画する将来戦闘航空システム(FCAS)関連の事業が挙げられています。
政府資金の分配状況をみると、2025/26年度の国防省調達支出全体の40%が上位10社に対する支払いに向けられました。中でもBAEシステムズ向け支出は単独で73億ポンドを超え、全体比率で16.5%に達しました。これは同統計が開始された2007/08年度以降で単一の供給元として過去最高の水準となります。
一方、2025/26年度の新規契約に関する数値(暫定値)をみると、新規契約総数は2221件、契約総額は164億ポンドとなりました。新規契約件数のうち51%にあたる1134件が非競争方式で締結され、件数ベースでは2015/16年度以来の高水準を記録しました。金額ベースでは新規契約総額の41%にあたる68億ポンドが非競争方式となっています。なお、新規契約総額は前年度の215億ポンドから減少していますが、国防省は、新規契約額が特定の超大型契約の有無によって大きく変動すると説明しています。2024/25年度にはロールス・ロイスとの単一契約が60億ポンドを超え、同年度の新規契約総額の3割以上を占めていた経緯があります。
中小企業(SME)向けの新規契約(暫定値)については、523件・9億8100万ポンドとなりました。契約金額は前年度比で1億400万ポンド(12%)増加した一方、全新規契約件数に占める中小企業の割合は24%となっています。国防省は2026年7月に公表した行動計画に基づき、2028年夏までに中小企業向け支出を75億ポンドへ拡大する目標を掲げています。
英国国防省の2025/26年度統計は、政府調達資金がどのような契約形態を経てどの企業群へ届いているかを客観的に示しています。434億ポンドにおよぶ支払いと、既存・新規双方における非競争方式の比重、主要企業への支出状況から、英国国防省の調達資金がどのような契約方式を通じ、どの企業群へ向けられているかが読み取れます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













