23年版土地白書が閣議決定された。それによると、平成21年末においての国土面積は約3779万ヘクタールで、森林(約2507万ヘクタール、国土面積の66.3%)と農地(約461万ヘクタール、12.2%)、採草放牧地(約8万ヘクタール、0.2%)で国土の78.7%を占めているとしている。それでも、農地は前年に比べ0.4%減少していた。
一方、住宅地115万ヘクタール、工業用地16万ヘクタールなど宅地が全体で189万ヘクタールとなり、前年より0.5%増えていた。また、一般道路、林道、農道など道路は約135万ヘクタール、水面・河川・水路が約133万ヘクタール、原野が28万ヘクタールあまりになっていた。
また、白書は東日本大震災の被災地の地籍状況についてもふれており、青森、岩手、宮城、福島、茨城の各県は地籍調査の進捗率が高く、津波による浸水地域では9割が地籍調査を行っていたことから「今回の地震で最大、水平方向に5.4メートル、上下方向に1.2メートルの地殻変動が生じたが、地籍調査の成果を活かし現場のズレを早急に修正し、災害復旧・復興をすすめる環境を1日も早く整えることが期待される」と地籍調査が行われていたことの効果を提示していた。
白書に示された災害復旧工事での地籍調査の効果では新潟県中越地震での事例を示し、主要県道の2キロメートル区間での復旧に地籍調査が行われていなかった場合、測量や用地買収など約1年かかるところが、地籍調査が実施されていたことにより約2ヶ月で復旧工事に着手できたと効果をあげた。(編集担当:福角忠夫)