民間企業と各自治体、災害協定で協力体制を構築

2011年06月13日 11:00

 「災害協定」、今回の東日本大震災の後より、ニュースなどで耳にする機会が多かった言葉だろう。この「災害協定」は、大きな災害が発生した時に、その被害を少しでも食い止め、円滑に応急対策を実施するために自治体と、民間企業や団体とが協力体制を構築していることを指す。このような取り組みは、これまでも数多く行われていたが、今回の大地震により、さらにクローズアップされている。

 例えば、ダイドードリンコでは東日本大震災以前より、各自治体と「災害時における飲料の提供協力に関する協定」を締結。これは地震等の大規模災害時に、同社が指定する物流拠点ならびに災害対応自販機の在庫商品を提供することを約した協定で、各地に設置している災害対応自販機は、災害等で停電になった場合、専用キーによる人的操作で非常用電源に切り替わり、停電後48時間以内であれば、最大で約500本の商品が搬出可能だという。今回の大震災でも、水不足のなか、各自治体への飲料提供に加え、100台以上の災害救援ベンダーが活躍し、自販機前には行列できるほどだった。

 また、今回をきっかけに、各自治体との「災害支援」の内容を強化したり、新たに実施する民間企業や団体も増えてきたようだ。その協定の一部を紹介すると、北海道はサントリーフーズと災害時、飲料の供給や災害対応型自動販売機内在庫飲料の無償提供、敷地等施設の提供を行う協定を締結。その他、壱番屋、サークルKサンクス、北海道ファミリーマート、モスフードサービス、ローソンなどとも協定を結んでいる。大阪府は大阪建築金物卸商協同組合がブルーシートや土嚢などの建築資材の供給を、全日本ブラシ工業協同組合とは避難場所などへの歯ブラシの供給などの、災害時の協力体制を取っているという。

 大阪府泉大津市はコカ・コーラウエストと災害対応型自動販売機内在庫品の無償提供や避難所への飲料水の無償提供など行っているほか、滋賀県草津市は赤ちゃん本舗、アヤハディオ、近鉄百貨店草津店、平和堂などと災害時支援協定を締結している。