近年、白熱電球や蛍光灯からの置き換えが進んでいるLEDに加え、有機ELが新たな照明として開発が進められている。有機ELは、有機材料からなる数100nmの薄膜に電流を流すことでLEDや白熱電球のような点状の光源と比べて広い平面で発光するため、目にやさしく、やわらかな光を実現することができるという。また、光源パネル自体が器具にほぼ相当し、光の利用効率が高く節電効果が大きいことから、省エネかつ薄くて軽い面状の光源として幅広い用途で日常的に利用されることが見込まれている。
そのような中東芝は、従来から開発中の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)に、可搬性や調光等の仕様を加えることで、不十分な電源事情の中であかりを必要とする被災地の避難所で役立つ照明器具を開発。避難所への贈呈用に100個を製造することを決め、まずは、26日、宮城県気仙沼市の避難所に50個を贈呈している。
この有機EL照明器具は、乾電池や太陽光充電池による駆動で持ち運びができることに加え、目にやさしい、やわらかなあかりを特長としているため、避難所内での読書灯や手元灯などへの有効活用が期待できるという。
同社は今後も引き続き、震災後の社会ニーズの変化をとらえ、省電力で、安心・安全を提供する有機ELならではの新しい照明システムを開発・提案していく。