東日本大震災に伴う原子炉の問題などで、全国的な節電を余儀なくされている。年間で最大量電力を使用する夏季に向けて深刻な電力不足が予測されており、企業、個人に関係なく様々な取り組みを行なっているようだ。
清涼飲料業界は、京都議定書制定以前の1991年から飲料自販機の電力削減に取り組んでおり、20年間で自販機一台あたりの年間消費電力量は平均で7割も減少しているというが、さらに業界団体である全国清涼飲料工業会は、東日本大震災後の電力不足による飲料自動販売機の節電対策として、夏季ピーク時電力の削減に業界を挙げて取り組むと発表している。
ダイドードリンコは、自動販売機の節電対策に取り組むほか、オフィスにおける具体的な取り組みとしてクールビス実施期間の拡大やサマータイムの導入、夏季における休日の一部変更を実施。さらに不在箇所の消灯や蛍光灯の間引き、昼食時間中の消灯、冷房使用時の室温28度設定、業務の見直しによる事務機器の一部撤去、デスクトップパソコンのノートパソコンへの一部入れ替えなどを行なっている。同社グループでは、今後も事業活動のあらゆる場面において消費電力削減策の具体化を進めると共に、被災地の復興支援に継続的に取り組んで行くという。
また、日本コカコーラは東京電力管内におけるコカ・コーラシステム各社のオフィスにおいて、従来からの温度管理の強化やクールビスなどの継続に加え、施設内の節電策や就業体制の変更などの追加活動プランを検討中。伊藤園 は6月から9月の就業時間の1時間前倒しや、クールビスの期間延長などを行っている。
その他の各社もオフィスにおける対策を検討しており、節電への協力は、飲料業界全体の取り組みとして広がっていきそうだ。