NTTドコモ(以下ドコモ)は、携帯電話機を大型化することなく、1.5GHz帯から2.5GHz帯までの6つの周波数帯に対応した信号を通信に必要な所定の出力電力まで増幅する電子回路、小型のマルチバンド電力増幅器の試作機を開発したと発表した。
現在、携帯電話機は複数の周波数帯に対応するため、それぞれの周波数帯に対応するシングルバンドの電力増幅器を複数搭載している。今後、日本で使用される1.5GHz帯の周波数帯への対応や国際ローミング対応に必要な周波数帯が増加すれば、それだけ電力増幅器も複数搭載せざるを得ない状況が予想されている。こうしたインフラや開発環境を踏まえ、ドコモでは、小型のマルチバンド増幅器の開発に取り組んでいた。
本装置は、大きさが8.05mm×6.2mmと、実用化が見込まれるまでの小型化に成功。本装置が実用化されれば、1.5GHz帯から2.5GHz帯までの周波数帯における信号の増幅を1つの電力増幅器で行え、携帯電話機の大型化につながらずに済む。また、本装置はLTE、W―CDMA、GSMなど各通信方式の信号を増幅できるため、1.5GHz帯以上の周波数帯を利用する国内外のほぼ全ての携帯電話サービス用の電力増幅器として、本装置のみで対応することができる。