DyDo、震災の被害額を特別損失として9億300万円計上

2011年05月25日 11:00

 ダイドードリンコが5月23日に発表した平成24年1月期の第1四半期の業績によると売上高は335億8900万円(前年同期比6.6%減)、営業利益は12億9700万円(前年同期比6.3%増)、経常利益は11億3900万円(前年同期比4.9%増)となっている。

 また、同社は当四半期において、3月11日に発生した東日本大震災の被害額として、9億300万円を特別損失として計上している。これは東北地方や関東地方に所在する営業所等における自動販売機及び商品在庫などの減失、及び震災に関する復旧費用の相当額を計上したものでその結果、四半期純損失は、5億2400万円(前年同期は4億4700万円の四半期純利益)としている。

 現在、国内経済は一部で景気回復の兆しがあったものの、雇用情勢や所得環境は依然厳しく、さらに3月11日に発生した東日本大震災の甚大な影響により、調達や生産などの先行き不透明感はもちろん、個人消費は引き続き厳しい状況となっている。飲料業界においても消費者の節約志向の進行に、大震災の日本経済に与える影響や、消費マインドの更なる低下など、先行きが懸念される状況は続いている。

 こうした中、同社グループでは飲料販売部門において、平成23年1月21日付で営業・生産・商品開発を中心とした組織改革を実施。製品開発からオペレーションに至るまでの全てのビジネスプロセスを見直し、持続的発展を展望できる堅固な収益体質の構築に努めている。同時に業務の全面的な見直しによる固定費削減など、引き続き徹底したコストコントロールを行い、収益確保に注力してきた。

 商品面でも同社の主力ブランド「ダイドーブレンドコーヒー」シリーズにおいて、砂糖を含まないゼロ系タイプ「ダイドーゼロスペシャル【砂糖ゼロ】」を新たに発売。従来からのスタンダードタイプ、微糖タイプにゼロ系タイプを加えラインナップの充実を促進し、幅広いユーザーの囲い込みとシェアの維持拡大に注力している。また、自販機導入に関しては、消費者に支持される注目度の高い新しい自販機の積極投入と、不採算先自販機の撤去やスクラップ&ビルドという投資効果に主眼を置いた設置ロケーションの選定を行い、採算性を一層重視した強固な全自販機の見直しに注力している。さらに「ヒートポンプ自販機」、「LED照明自販機」、「IH自販機」など地球環境に優しい節電効果の高い「エコ自販機」の徹底した開発や採択に邁進。大震災で評価された災害時における迅速で有効な支援ツールとなる「災害救援自販機」や、収益金の一部を募金として寄付「社会貢献型自販機」を投入するなど、地域社会や消費者に支持される新しい自販機の積極投入を行った。

 一方、飲料受託製造部門は近年消費者ニーズがドリンク剤から健康食品、サプリメント(健康補助食品)への流れに変わり、ドリンク剤と競合する商品が数多く発売されるようになっている。そうしたニーズをいち早く掴み、従来のドリンク剤のノウハウを礎として「美容と健康」を謳った女性向け商品を開発する体制を作り上げたことから、多方面にわたり受注を獲得することができるようになったという。さらに営業開発体制の強化並びに生産体制の整備が年々拡充したことに加え、昨今の厳しい経済環境の変化から大手医薬品等有力メーカーの生産スタイルが、「自社生産」から「OEM生産」にウエイトシフトしたことなどにより、傾向的には安定した受注を確保できるようになったという。

 なお、平成24年1月期の第2四半期累計期間及び通期の連結業績予想については、大震災の影響やその後の東京電力管内における一部に自動販売機の冷却停止装置などの節電対策の影響などにより、現時点では定量的把握が困難であり、合理的な算出ができない状況にあることから現時点では未定とした。今後、予想可能となった時点において、すみやかに修正予想を公表するという。また、配当予想は前回と変更はないとしている。