三井化学など、大阪ガスと共同で省エネルギー化プロセス導入に成功

2011年05月11日 11:00

 三井化学及びその100%子会社の大阪石油化学(以下「OPC」)は、大阪ガスと共同で、エチレンプラントにおいて世界で初めて大規模にLNG冷熱を利用した省エネルギー化プロセス導入に成功したという。

 三井化学大阪工場内にあるOPCのエチレンプラント(以下「OPC エチレンプラント」)では、ナフサ(粗製ガソリン)等を熱分解してエチレン、プロピレンなどの基礎原料を製造している。その製造工程の一部において、各成分を分離精製するために大型冷凍機によって製造した大量の冷熱を使用。一方、近隣の大阪ガス泉北製造所第一工場(以下「大阪ガス泉北第一」)では、従来から約80%のLNG冷熱を液化窒素・ドライアイスの製造などに利用しており、更にLNG冷熱を有効に活用する方法を検討してきたという。

 3社で更なるLNG冷熱の有効活用を検討してきた結果、大阪ガス泉北第一より-160度のLNGをOPCエチレンプラントに受け入れ、LNGが保有する冷熱を効率的に回収利用するプロセスを開発。2010年10月から本プロセスの運用を開始し、この度、実運用下でのCO2削減効果を確認した。

 この世界初のエチレンプラントでの大規模なLNG冷熱有効利用の実現は、大阪ガス泉北第一のLNG冷熱利用率100%達成へ大きく貢献した一方、OPCエチレンプラントにおいては、既存の大型冷凍機の負荷を大幅に下げることを可能にし、その省エネルギー効果はOPCエチレンプラントの競争力強化へと繋がるという。この省エネルギープロセスの導入により、OPCエチレンプラントから排出されるCO2が年間約3.8万トン削減されるという。

 同事業は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」における複数事業者の連携事業として採択され、2011年1月に完了。3社は、この事業を通じて、これからも生産活動にともなう環境負荷を低減し、GHG(温室効果ガス)の削減に取組んでいく。