ウラジオストクにおけるLNG共同事業化調査実施に伊藤忠など合意

2011年05月02日 11:00

 伊藤忠商事、石油資源開発(以下「JAPEX」)、丸紅、国際石油開発帝石(以下「INPEX」)及び伊藤忠石油開発(以下「CIECO」)が出資する極東ロシアガス事業調査(以下「極東ガス」)と、ロシア国営ガス会社ガスプロム(以下「ガスプロム」)は、4月25日に、ロシア・モスクワにて、ウラジオストク市周辺における天然ガス利用プロジェクトの共同事業化調査(共同FS)実施に関する合意書に調印したという。

 共同FSの内容は、年産1000万トン規模の液化天然ガス(LNG)プラント建設に関するPre-FEED(事前基本設計)、圧縮天然ガス(CNG)パイロットプロジェクト実施可能性に関する予備調査及びガス化学製品の製造・販売の可能性に関する調査であり、2011年末までに完了する見込み。共同FSは、2009年5月より資源エネルギー庁、伊藤忠商事及びJAPEXがガスプロムと共に共同事前事業化調査(プレFS)を実施しており、昨年7月のプレFS完了以降もガスプロムと更なる調査につき協議を継続。今回の合意は、本年1月の資源エネルギー庁とガスプロムの共同FSの実施に関する合意を踏まえ、その具体的な調査内容詳細につき合意したものだという。

 プーチン首相は、3月19日にサハリン州で開催された東シベリア・極東エネルギー産業開発会議にて日本へのLNG供給を増やす方針を示し新規のLNG基地の建設にも言及。当該調査及びその後のプロジェクトの実現は日露協力にとって重要な案件と位置づけられており、日本のみならず極東及びアジア周辺諸国へのLNG安定供給と共に、ロシアのガス(LNG)輸出ソースの多様化に寄与するものと考えられる。