東日本大震災から2年を迎えようとしていた先週末、各被災地では様々な催しも行われ、懸命に復興に向けて頑張る人々の姿が見られた。
未だに爪跡が残る被災各地があれから2年を迎えた3月11日に、多くの人が復興を願った日本列島。なかなか復興が進まず、他地域との格差に不満を募らせる被災地もあれば、見えない恐怖に怯え続ける被災地もあったりと、必ずしも同じ悩みばかりを持っているわけではないが、どの被災地もこれからを生きる子どもたちには、明るい未来であって欲しいと願う気持ちは同じだ。
そんな子どもたちへの願いを込めたイベントも被災各地では積極的に行われており、震災から2年を迎えようとしていた3月9日・10日の2日間、「キッズワークショップカーニバル in ふくしま」が地元福島の子どもたちを対象に行われ、多くの人が訪れた。
このイベントを主催したのは、NPO法人である「キッズデザイン協議会」。同団体は、乳幼児用品や玩具などの子ども向けの製品・サービス、また、大人向けでありながら子どもの目線を持つ商品や施設、プログラム、調査研究活動などを対象とし、「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」、「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」、「子どもたちを産み育てやすいデザイン」の顕彰制度である『キッズデザイン賞』の顕彰事業や調査研究事業、イベント活動などの広報事業を行っている。今回のイベントは復興支援プロジェクトのひとつである「子どもたちの元気プロジェクト」の一環として開催された。
福島市の子どもの夢を育む施設「こむこむ」との共催で行われた同イベントは、21種類のワークショップや特別プログラムなどが開催され、2日間でのべ4,000人を超える人々がこの地を訪れている。同協議会の会員や受賞企業などで構成されたワークショップにはプログラムを楽しむ子どもたちで溢れ、笑顔の絶えない空間だったという。「キッズスポーツチャレンジ」で体力測定を行っていたアシックス は、「子どもたちはみんな楽しかったと言ってくれて、ワークショップ側としても満足度は高く非常によかった」(同社イベント担当者)と語った。他にも「木をすべすべにするカンナがけ体験!」を提供した住宅メーカーアキュラホームは「みなさん明るい表情で、楽しそうにプログラムに参加されており、夢中になって取り組む子どもを親たちが温かく見守る姿が印象的だった」(同社広報部員)とした。
福島では放射線量を示すボードが各所で見られ、未だに目に見えない痛みを抱えながら復興に臨んでいる姿は、この震災のもたらす甚大な被害を物語っている。だが、少しずつ元気な姿を取り戻している地元の飲食店などの経営者たちは「福島が元気なことをぜひ参加企業さんは地元に戻られたときに伝えてほしい」と語っており、前向きに復興に取り組む姿勢にエールを送りたい。そして、このイベントを通じ、未来を照らす子どもたちの笑顔は復興のエネルギーとして何よりも大きかったこともあわせて伝えておきたい。(編集担当:滝浦巧都)