東レフィルム加工、表面保護フィルム製造・販売の新会社を台湾に設立

2011年04月19日 11:00

 東レフィルム加工は18日、今年5月に台湾・高雄市に表面保護フィルムの製造・販売会社を設立し、自己粘着性表面保護フィルム「トレテック」の生産工場を新設することを発表した。出資比率は東レフィルム加工が70%、東レが30%となる。新工場は2013年1月から稼働を開始する予定で、同年夏までに生産能力を年17,000トンに拡大する。

 「トレテック」は、同社が開発したポリエチレン系の自己粘着性表面保護フィルムで、現在、液晶ディスプレイなどの各種光学用フィルムの製造時における工程紙をはじめ、プラスチック板の表面保護フィルムなどに幅広く使用されている。近年では、LCDバックライトのLED化に伴って、必須部材となる輝度向上フィルムや導光板向けを中心とした表面保護フィルムの需要がアジアを中心に拡大している。そういった世界需要を背景に同社は「トレテック」のフル生産を継続してきたが、供給能力のさらなる拡大が急務となっていた。

 新会社は東レグループのフィルム事業にとって初めての台湾事業進出となり、「トレテック」に関しては初の海外生産進出となる。今回の発表の中で同社は、東レグループが今回設立する新会社を成長市場のアジアにおけるフィルム加工事業の足がかりとし、安定供給体制の確立を図るとともに、フィルム事業のさらなる拡大を目指すことを宣言している。