政府と民主党は東日本大震災の復旧費用を軸とした総額4兆円規模の第一次補正予算「素案」をまとめ、各党と協議に入っている。説明された内容について自民党は金曜日には結論を出す方向で検討中。政府・民主党としては今月中に予算案を国会に提出したい意向。
示された素案によると被災者向け仮設住宅など災害救助費用や生活福祉資金貸付、災害廃棄物処理費用、道路・港湾・下水道・農地など災害復旧公共事業、緊急雇用支援、事業者向け融資、農林漁業者向け金融支援、医療保険減免措置費用、自衛隊の活動費などを軸に組み立てている。
一方、財源として年金国庫負担率の一時的な引下げ(国庫負担2分の1を3分の1にすること)により2兆5000億円程度を捻出するほか、高速道路料金割引の見直しで2500億円、高速道路無料化社会実験の一時凍結で1000億円、ODA予算の2割削減で1000億円、子ども手当上積み見直しで2000億円、経済予備費による調整で最大8000億円、国会議員歳費減額で22億円などを充てるとしている。
石破茂自民党政調会長は「4Kのうち、高校授業料の無償化や農家の戸別所得補償には全く言及していないなど問題も多い」と指摘しており、緊急性を要することから1次補正が丸のみされたとしても、2次補正からは高速道路、子ども手当に加え、高校授業料の無償化や農家戸別所得補償のあり方など、いわゆる4Kに対する見直し要求が強まることは必至の情勢だ。(編集担当:福角忠夫)