原発安全性確保に「想定」世界的見直し必要

2011年03月23日 11:00

 班目(まだらめ)春樹・原子力安全委員会委員長は22日の参議院予算委員会で、今回の東京電力福島第一原発事故について「12日の班目氏の総理への発言が総理の判断を楽観的なものにしたのではないか」と福島みずほ社民党党首から追及され、「水素爆発がおきないとしたのはあくまでも格納容器内での話で、建て屋での話には言及していない」とした。そのうえで、今回の事故については(安全対策上)「想定を超えたものであり、想定について世界的な見直しがなされなければならない」との認識を示した。

 また、12日の総理への発言で総理の判断を狂わせたようなことはないと言明した。

 福島社民党党首はさらに、班目氏が浜岡原発の裁判で行った証言をとりあげ「非常用ディーゼルが2台とも動かない場合に大変なことになるのではないかと質問を受け、そのような事態は想定しない。そのような事態を想定したのでは原発はつくれない。だから、割り切らなければ設計なんて出来ませんね、と言っている。割り切った結果が、今回の事故ではないのか」と追求。班目氏は「割り切らなければ設計は出来ない、というのは事実。ただし、割り切った割り切り方が正しくなかったということも十分反省している」と答弁した。

 また「(そういう想定をすると原発はつくれないという発言は)ある意味、原子力をやっている者全体の意見を代表していってきたこと」としながらも「原子力を推進してきた者の1人として、個人としては謝罪したい気持ちがある」と語った。(編集担当:福角忠夫)