日立など、無線LAN位置検知システムの機能を強化

2011年03月09日 11:00

 近年、企業や公共機関では、オフィスや工場などでのセキュリティ管理や作業員の安全性確保、資材管理による作業効率化のため、人・モノの位置情報をより正確に把握したいというニーズが高まっている。

 そのようなニーズに応えるべく日立製作所は、屋内や屋外、また密閉空間においてRFIDタグと無線LAN通信を用いて、多数の人・モノの位置情報をリアルタイムに検知する無線LAN位置検知システム「Air Location II」(エアロケーション ツー)を機能強化し、3月8日から販売を開始するという。

 具体的には、「Air Location II」向けに、従来の位置検知機能に加え特定のエリアへの入退情報を検知できるRFIDタグ「Air Location IITag-S」(エアロケーション ツー タグエス)を開発し、入退情報を検知できる通過検知システム「AirLocation/MJ」(エアロケーション エムジェイ)の機能を「Air Location II」に追加、連携させることで、位置情報管理と入退管理を同一システムで実現。これにより、データセンターなど機密情報を扱うエリアでのセキュリティ管理や危険な作業を行なう作業員の安全管理など、より詳細な位置情報を必要とする業務などに適用可能なシステムが、コストを抑えながら導入可能となる。

 今後同社は、位置情報と「Air Location IITag-S」が内蔵している人・モノの動きを感知する加速度センサや周囲の温度を感知する温度センサから得られるセンサ情報を組み合わせたソリューションを検討。 なお、今回販売を開始する「Air Location II」は、8日から11日まで東京ビックサイトにて開催される第19回セキュリティ・安全管理総合展「SECURITY SHOW 2011」の日立ブースにて紹介している。

 また、NECネッツエスアイは、無線LAN位置情報システム「WiFiロケーション・システム」を発売し、好評を得ている。

 同製品は公衆無線LANや企業、個人などで一般的に利用されているIEEE802.11bの電波を利用し、高精度でリアルタイムな位置情報を特定できるシステム。無線のため、屋内外を問わず利用でき、また、位置検出プラットフォームをベースとしているため、ユーザーの既存システムと連携可能であり、要望に柔軟に対応するという。

 現在、医療機関や自動車管理システムとしてすでに幅広いシーンで活用されている。