坂口力元厚生労働大臣は8日の衆議院厚生労働委員会でサラリーマンの扶養家族になっていた専業主婦が夫の脱サラなどで国民年金の切り替えをしなければならないところをせずにいた、いわゆる運用3号による救済策について、「これらの主婦は切り替え手続きを忘れた訳で、いわば『忘れた年金』であり、その責任が行政側にあるというなら『消えた年金』こそ、行政側の責任が大きい。行政側の責任の基準はどこにあるのか。公平性を欠く」と細川律夫厚生労働大臣に質した。
細川大臣は「本来、3号から1号への切り替えのため、本人が届出をしなければならないわけだが、社会保険庁から届出をするよう勧奨すべきだった。本人にそういうことをしていなかったのは社会保険庁の落ち度」とした。
また大塚耕平厚生労働副大臣は「現場でのすり合わせの問題のほか、平成19年、20年の年金特別便に本来1号であるべきところを3号で届けた」ことを行政側の責任理由にあげた。
坂口元厚生労働大臣は「年金特別便は内容に間違いかないか、どうかを本人に確認して頂く為のもので、当時は皆が事実と合っているかどうか、疑いの目で見ていたはず。出したから行政側の責任というのは、どうか」と政府の判断に疑問を投げかけた。
その上で行政側の責任について「行政側の責任として処理すべきことは法律できちっと定めておいて処理すべき」と行政マンが裁量でやってしまうことは問題だとした。(編集担当:福角忠夫)