近年、LED電球等の普及により、注目を集めているLED照明だが、通常、LEDはDC(直流)で駆動させるため、一般電源であるAC(交流)の電源を用いる場合には、ACをDCに変換するDC電源回路が別途必要となっている。このため、DC電源駆動型は、「複雑な回路で部品点数が多くなる」「電気的なノイズが発生しやすい」等の課題があるという。
一方、AC電源駆動型LEDは、他社で既に製品化されているが、これらは駆動回路が簡略なため、機器の小型化が容易であるものの、DC電源駆動型と比べて、「目に見えない微小なレベルの非点灯状態が発生し、効率を悪くする」という課題がある。LED照明は、上記の駆動方式や放熱性など、取り扱いの難しさから、新規参入ができない中小器具メーカーも多く、モジュール化の要望が高まっているのが現状だ。
そのような、シチズン電子は革新的な回路技術を用いたAC駆動回路内蔵型の照明用LEDモジュール「LMC10B シリーズ」を開発した。同製品はLEDの駆動回路に革新的な方式(SCD方式)を採用することで、AC電源からの直接駆動が可能となり、DC電源回路が不要で小型化・薄型化を実現。さらに、従来のAC駆動型に比べ、非点灯状態が低減され、大幅な効率アップを実現している。今後は、蛍光灯タイプのライン型モジュール等にもバリエーションを広げ、「より使いやすい」LEDモジュールを提案することにより、LED照明器具メーカーの開発期間と開発コストの削減に貢献する構えだ。
また、東京エレクトロンデバイスは2010年4月、米LYNK LABS社と販売代理店契約を締結、LED照明用のモジュール「SnapBrite」や「XL festoon」の販売を開始すると発表した。
両製品は、内部配線を同社の技術によって簡素化し、100VACなどの電圧を直接供給してLEDを点灯できるようにしたモジュール。DC電源ユニットが不要になるため、蛍光灯や電球からLEDへの置き換えが容易になり、システムコストや実装面積の削減にも貢献する。
「SnapBrite」は蛍光管/ランプからの置き換え向けで、「XL festoon」は12VACを使用するキセノンランプからの置き換え向けとなっている。発光効率は65lm(ルーメン)/W。120VAC、240VAC、12VACなどの入力電圧に対応可能な数種類の製品を現在用意しているという。