帝国データバンクが昨年12月16日から今年1月5日にかけて「TPPに関する企業の意識調査」を行い、1万917社から回答を得た結果、企業の7097社(65%)は日本にとって、TPPへの参加は必要と考えていることが分かった。ただし、自社業界についてみたときには必要との回答は38.3%にまで落ち込んだ。
政府は今年6月までにTPPへの正式参加への是非を判断する意向だが、帝国データバンクが行った調査結果ではTPPへの参加は現状でも可能とする回答が46.1%と半数近くにのぼっていた。
TPP参加に最も必要なものでは3社に1社(35.8%)が「参加後のビジョン提示」をあげ、農業部門への総合対策案の提示は2割弱だった。
TPPに参加しなければ長期的に景気への「悪影響がある」と考える企業が72.4%、「悪影響はない」と考える企業は5.4%にとどまった。
企業の声では「中小・零細企業の製造業においても海外企業との競争は不可欠」(電気計測器製造、福岡県)「不参加では国際競争のスタート地点にも立てない」(貸事務所、東京都)など参加が必要とする声が多いとしている。
一方「自由貿易の原則は世界貿易の平準化であり、TPPは経済のブロック化につながる」(包装用品卸売、愛知県)、「国内での規制整備や受け入れ態勢を整えるべき」(不動産、広島県)など、参加の必要なしとの意見もあがっている。
(編集担当:福角忠夫)