三菱自、EV用バッテリーの組み立てラインを新設

2011年01月18日 11:00

 三菱自動車<7211>は岡山県倉敷市にある水島製作所内に電気自動車(EV)用バッテリーの組み立てラインを新設。生産能力を現状の2倍以上に引き上げるという。現在、2010年6月に水島製作所の近くにある旧三菱水島病院の大規模空調設備を活用し、リチウムイオン二次電池の組立工程を内製化。2直体制で月1200台分の「アイ・ミーブ」向け電池を生産し、フル操業が続いている。

 2012年度までにEVの生産を年4万台以上に引き上げるほか、2013年度にプラグインハイブリッド車(PHV)の投入を計画。仏プジョー・シトロエン・グループ向けOEMの拡大も視野に入れ、電池の組み立て能力を増強するという。さらに2011年度からの次期中期経営計画を策定中の同社は、EVを環境技術の柱に位置付ける一方、新興国での事業展開を加速。世界でのシェア拡大も目指す。

 一方、日産自動車<7201>のカルロス・ゴーン社長は、EVのラインナップを現在のリーフ1車種から4車種に増やす意向を明らかにしている。環境技術の開発に巨額の投資が必要なため他社との連携が必要との見方を示し、米ゼネラル・モーターズ(GM)との将来の提携の可能性にも言及している。

 2012年の販売を見据え、トヨタ自動車<7203>はRAV4をベースに、ホンダ<7267>は主力小型車であるフィットをベースにしたEV車の開発を推進しており、今後は国内自動車メーカー間の争いが益々激化していくことが予想される。