中国での販売減の影響次第で明暗が分かれる

2012年11月12日 11:00

 自動車大手6社(トヨタ <7203> 、日産 <7201> 、ホンダ <7267> 、マツダ <7261> 、富士重工 <7270> 、三菱 <7011> )の2012年度中間決算は、売上減の三菱と最終利益減の日産を除けば前期比で増収増益だった。トヨタ、ホンダ、富士重工が30%を超える増収で、最終損益は富士重工が前期比23.5倍、トヨタが6.7倍、三菱が2.8倍、ホンダが2.3倍になった。前年同期は東日本大震災の影響で大幅減産だったこと、9月までエコカー補助金の効果がハイブリッド車や軽自動車の販売に目いっぱい効いたこと、北米やアジアでの販売が好調だったことなどが寄与した。

 通期見通しは「中国での販売減の懸念」では共通していたが、最終利益予想は上方修正(トヨタ、富士重工)と下方修正(ホンダ、日産)にはっきり分かれている。

 トヨタは、中国での20万台程度の販売減を北米、タイ、インドネシアなど東南アジア諸国、中近東諸国での販売増とコスト削減で十分カバーできるとして、通期最終利益見通しを2012年3月期の2.8倍の7800億円に上方修正した。国内販売見通しは225万台で変えていないが、世界販売は5万台下げて875万台とした。一方、日産は中国での販売が世界全体の約4分の1と大きく、その1~12月の販売台数が計画の約13%減に落ち込む見通し。ヨーロッパでの販売不振も深刻で、通期最終利益見通しを4000億円から3200億円に下方修正した。国内販売は1万台下げて68万台だが、世界販売は27万台減の508万台に修正している。ホンダも中国での販売台数見通しを75万台から62万台に改め、通期最終利益見通しを4700億円から3750億円に下方修正している。国内販売は2万台増の73万台、世界販売は18万台減の412万台。

 マツダは通期売上高見通しを4~9月期と同じ6.7%増の2兆1700億円と見込むが、最終利益はわずか100億円。国内販売は1.1万台減らして21.4万台、世界販売は8.5万台減らして125.5万台という見通し。三菱の通期売上高見通しは1.3%増の1兆8300億円で、営業利益は800億円の黒字を見込みながら、最終損益は130億円の赤字予想。国内販売は1.1万台減の15.6万台で、世界販売は4.6万台減の104.4万台と予想する。

 決算内容が最も明るかったのが富士重工で、通期見通しは売上高21.3%増、営業利益86.5%増、最終利益は過去最高の670億円(74.2%増)。国内販売は1.5万台増の16万台を見込み、世界販売は71.44万台で、下方修正幅は6400台と1万台を下回る。世界戦略車「インプレッサ」の売れ行きが好調なこと、中国に生産拠点がなく、その世界販売シェアも8.7%と小さいことが、富士重工の元気の源である。

 自動車の国内販売は底堅いが、大手6社は揃って世界販売台数を下方修正した。ホンダは決算発表で、世界販売台数の見通しを当初「未定」と発表して後で訂正したが、9月の反日デモ以来の中国の反日感情の高まりによる影響がどれほど深刻で、いつまで長引くのか、各社とも測りかねている。