ロート「オバジ」10周年、ビューティ事業の今後の成長に自信

2010年12月14日 11:00

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記者会見にてビューティ事業の成長に対する自信を語る、ロート製薬の山田邦雄代表取締役会長兼CEO。

 プレステージブランドである機能性化粧品「Obagi(オバジ)」が発売10周年を迎えたロート製薬 が、このたび記者会見を行い、山田邦雄代表取締役会長兼CEOがビューティ事業に対する考え方や今後の展望を語った。

 「オバジ」は、化粧品市場に”機能性化粧品”という新たなジャンルを開拓したことでも知られているブランドである。アメリカの皮膚科医・オバジ氏が研究を進めていた「SHR理論(肌トラブルの原因は肌本来の機能の衰えであると考え、美しさを取り戻すためには肌を健康な状態に戻すことが必要であるという考え方)」を国内に持ち込み、日本人の肌の特性に合わせた処方を同社が開発、販売している。大きな特長は、医薬品と同様のアプローチで効果測定と安全性の試験を行うなど、エビデンスに基づいた処方を行っている点だ。そういった姿勢からくる機能性と安全性の高さや、個人個人の肌の悩みに合ったケアが行える点、そして実効感が評価され、2001年6月の発売当初から好評を博している。

 また「オバジ」は、今や一定の評価を得る同社ビューティ事業の先駆となったブランドでもある。同ブランドの立ち上げとともにスタートしたビューティ事業は、2001年度の売上は13億円であったが、2009年度には213億円と、大きな成長を見せている。これには、100億円ブランドに成長し、中国や台湾をはじめとしたアジア諸国へも展開している「肌研(ハダラボ)」や、若年男性向けの「OXY(オキシー)」といった後続ブランドの成功も大きく関係しているが、フラッグシップ的な存在として事業全体を牽引する同ブランドの存在も見逃すことができない。”目薬の会社”というイメージが大きい同社だが、実際はビューティ事業を含むスキンケア関連製品の売り上げが全体の58%(2009年度。2001年度は41%)を占めており、2009年度まで18期連続という同社の継続的な増収を支えているといっても過言ではない。

 会見では同ブランドの今後について、美容液やクリーム、ピールマスクといったスペシャルケアに特化していたラインナップに、要望が多かったデイリーユースのベースケアライン「オバジ アクティブベース」を加え、2011年3月10日に発売することが発表された。「オバジ アクティブベース」はメイク落とし、洗顔、化粧水、乳液というベースメイクの基本アイテムをすべて揃え、全製品に保湿成分の「アクティブベース成分(褐藻エキス)」と「ツボクサエキス」を配合。メイク落としから乳液まで角質へ奥深く働きかけることで、毎日の規則正しいターンオーバーを目指すものだ。さらに、当初から販売されている「オバジC」シリーズも、さらなる透明感を目指して独自成分を配合し、リニューアルする。

 会見で山田邦雄代表取締役会長兼CEOは、「肌研」の海外展開が順調に推移していることなどを受け、ビューティ事業全体の通期売上高が当初予想の219憶円から240億円(前期比12.7%増)まで拡大するという見通しを立てていることなど、ビューティ事業全体の成長に対する大きな自信をうかがわせた。さらに「オバジ」に関しては、「希望を込めて」と前置きした上で「新シリーズが業績に反映される2011年度には50億円にまで拡大したい」と売上目標を開示するなど、発売10周年を機にさらなるブランド力の向上を力強く宣言した。