パテント・リザルトが独自に分類した「繊維・紙・パルプ業界」の企業を対象に、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「2009年度繊維・紙・パルプ業界特許資産規模ランキング」によると、東洋紡が1万3406ポイントと業界トップ、次いで、大王製紙(1万2803ポイント)、東レ(1万229ポイント)と続いた。上位3社が4位(クラレ、4707ポイント)以下を大きくつき離していた。
これは、2009年4月1日から2010年3月末までに日本の特許庁に新たに登録されたすべての特許について、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を同社が独自に算出し、企業ごとに総合得点を集計した。同社では「この方式のランキングにより、件数比較では見られない、特許総合力の評価が可能になる」としている。
それによると、1位の東洋紡については「東洋紡の注目度の高い特許には食品、医療、電子材料などの包装材、容器に使われるポリエチレン系フィルムに関する技術や、人体に密着するような衣服の衣服圧を精度良く求めるシミュレーションに関する技術などがある」と質の高さを評価。
大王製紙については「厚み感、吸水性を確保しつつ、柔らかさや滑らかさを向上したトイレットペーパー」に関する技術、東レは「腫瘍免疫抑制物質を除去するための体外循環カラムなどに関する技術が、注目度の高い技術として挙げられる」としている。
また、5位から10位は次の通り。5位・三菱レーヨン(4523ポイント)、6位・帝人(4506ポイント)、7位・王子製紙(3421ポイント)、8位・ユニチカ(2947ポイント)、9位・日本製紙(2728ポイント)、10位・3M(2029ポイント)。
このほか、登録件数のみでみると、東レが436件で最も多く、次いで、東洋紡(406件)、3位に三菱レーヨン(230件)が入っていた。
(編集担当:福角やすえ)