アクサ生命保険などが実施した「がん患者の就労と家計に関する実態調査」で、がんになった後、依願退職や解雇、廃業などによって仕事を継続できなくなったという人が回答者の21%に上っていることが分かった。特に、個人事業主では72%が休業や廃業、業務縮小などを経験するなど、仕事への影響の大きさを浮き彫りにしていた。
調査はアクサ生命保険とキャンサー・サバイバーズ・リクルーティング・プロジェクトが共同で、今年6月から7月にかけて実施。855人から回答を得ていた。
その結果、がんになってから67%の人は収入が減少したとし、平均減少率は年収の36%にも及んでいた。そのため、58%の人は生活を切り詰めている、と回答。こどもの進路や進学を変更した(4%)、住宅取得を断念した(3%)という人もあった。
アクサ生命保険では「経済的な理由などで治療方法を変更・中止したことがあるとしたがん患者も全体の8~9%」ある。このことから「生活をできる限り切り詰めて治療費を捻出している人が大多数であることが推察される」としている。官民両方から新たな支援制度の検討が求められている。
(編集担当:福角やすえ)