三菱重工業(7011)は14日、100%出資するベトナムの民間航空機生産会社MHIVA(MHI Aerospace Vietnam Co., Ltd.)が生産累計100機目となる、ボーイング737向けのフラップを出荷すると発表した。
同社では1996年から737型機のフラップ生産を手掛けており、2009年には累計3,000機を突破した。昨秋以降はその拠点をMHIVAにも広げ、本格生産を開始して1年余りで100機目を達成した。現在、品質も向上・安定したことから、100機目以降は最終検査で搬入されていた同社の名古屋航空宇宙システム製作所を経由せずに、直接ボーイング社に納入されることになる。この記念の100期目は11月初旬に出荷される予定。
MHIVAはボーイング社支援のもと、737型機のフラップ生産を当面手掛ける方針で、今後計画されている同機の増産に対応し、生産の拡大を目指す。
同社では今回、MHIVAでの生産が軌道に乗ったことにより、今後はメタル構造などの既存部位生産を皮切りに海外拠点の能力を拡大させ、国内拠点と機動的に連携させていく考えで、ボーイング社の次期主力旅客機787向け複合材主翼の本格量産や、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の製造など、航空機関係の大型プロジェクト推進し、民間航空機事業の強化をはかっていく。
(編集担当:加藤隆文)