3大学 一転 現行制度で対応すると田中文科相

2012年11月08日 11:00

 田中眞紀子文部科学大臣は7日開かれた衆議院文部科学委員会で、午後4時過ぎ「大学の設置に関しては今後、抜本的な見直しを行うが、来年4月の開設を申請していた秋田公立美術大学など3大学については本委員会の審議や諸般の事情にもかんがみ、現行の制度にのっとり適切に対応する」と一転して、現行制度で対応するとの考えを示した。これは「新基準のもとで今回の3大学についても判断を行う」としていた大臣の方針を大臣自ら大きく譲歩させられた格好。

 現行制度の下で判断するということは事実上、大学設置審の答申通り認可することを意味すると見られる。委員会後、田中大臣は「認める」意思を示したとの情報も流れており、同省大学設置室も対応に追われている。

 田中大臣にとって大学改革の出鼻をくじかれ、仕切りなおしを余儀なくされた格好。ただ、現行制度や大学教育のあり方に疑問を提起した田中大臣に共感する国民も多い。

 田中大臣の最終答弁は、この日の委員会で、川内博史委員長が「各党、委員会理事、および委員の総意により、委員長から発言したい」と前置きのうえで「委員会審議を踏まえると3大学の設置認可の問題と大学設置認可制度のあり方は分けて考え、3大学の来春開学に向けての準備に支障なきよう文部科学省として対応して頂かなければならないと考える」と大臣の考えを改めて求めたのに答えたもの。

 今回の問題は二転三転したが、田中大臣が最終的な考えを示す前に、前川喜平大臣官房長は3大学不認可とした大臣判断は口頭のもので、文部科学省として文書通知を出しているわけでなく、確定しているものでない(未決)と、来春開学に認可の余地を残す答弁をした。一方で、現状の大学教育のあり方、大学設置審議会に内在するメンバー構成を含めた問題など、田中大臣が疑問視し、見直すべきとした点を国民の前に浮き彫りにする効果はあった。田中大臣の大学教育改革に対する取り組みはスタートしたばかり。混乱でなく、政策的な取り組みの実効が期待される。

 なお現行制度のもとで判断するとされた大学は秋田公立美術大学、札幌保健医療大学、岡崎女子大学の3学。(編集担当:森高龍二)