鈴木宗男議員 10日に異議申し立て

2010年09月10日 11:00

 あっせん収賄などの罪に問われた鈴木宗男衆議院議員の上告審で最高裁第1小法廷が鈴木被告の上告を棄却する決定をしたのを受け、鈴木議員は自身のHPで「弁護士が10日に異議申し立てをするというので、今後のことは弁護士に任せたい。私は淡々と与えられた立場で最後の最後まで仕事をしていく」と心境を綴った。

 異議申し立てが行われると、その内容について審議し、審議の結果、棄却されれば判決は確定する。

 鈴木議員は「有難いことに、事務所には非難や批判の電話、FAXはなく、激励の電話、FAXがいっぱいくる。8年前と風向きは間違いなく変わっていると実感しながら、声なき声に耳を傾け、絶えず後ろを見ながら、弱い人のために政治があることをいかなる立場でも訴えていきたい」と思いを綴っていた。

 鈴木議員は上告棄却について「マスコミ関係者から最高裁が特別送達を出したという話があったので、心の準備はできていた。最高裁の理由は、職務権限にだけ触れて、政治資金規正法違反、議院証言法違反については何も触れていない。検察が善良な市民を密室で誘導し、でっち上げの調書を作り、その調書を持って判決を下す裁判所が、真に公正公平で、真実を明らかにする司法としての責任を果たしているのかどうか、疑問である。公判で、賄賂はもらっていませんと言うと、判決文では、反省の情皆無と一方的に断じる裁判所も、官僚化している」と今回の決定に不満の意を隠せない。

 鈴木議員は特に精通している外務省への疑問をはじめ、北方領土問題、沖縄・普天間問題などに精力的に議員としての活動を行ってきた。また、議員定数や歳費の見直しなど議員自ら衿を正す姿勢を国民に知らせるべきだと訴えるとともに、官房機密費の扱いについても透明化を求めるなどしている。国民からはこうした活動を評価する声も多かった。自身のブログで「激励の電話、FAXがいっぱいくる」と言うくだりはそれをうかがわせていた。

 なお、罪状に対して一審、二審は懲役2年、追徴金1100万円の判決を下している。
(編集担当:福角忠夫)