国民生活センターは「金貨の即現金化」などの商法にゼッタイ手を出さないよう、消費者に注意喚起を始めた。一時しのぎで現金を手に入れても、数週間後には現金化した額以上の金貨の代金支払いが迫ってくるため、債務が膨らみ続ける危険を指摘している。
相談例では、50歳代のサラリーマンのケースで2万円分の金貨を代金後払いで購入し、購入業者の紹介する金貨買取業者に転売したが、額は1万1000円だったという。相談では購入額以下の額でしか現金化はされておらず、利用者は一時的に現金を手にするが、2万円の決済ができず、さらに、金貨を購入するなど、繰り返すケースもあり、「新たな多重債務者を生むきっかけにもなりかねない」としている。
また、転売額は購入金額の5割から7割程度になっていることから、融資契約の金利に見立てると出資法の上限金利(年利20%)をはるかに上回る年利2000%を超える金利になると指摘。
このため、センターでは「代金後払い」「クレジットカード不要で即現金」など、販売業者のセールストークを鵜呑みにせず、ゼッタイに利用しないように。また、金貨以外の地金、貴金属、壷、プラモデルといった商品でも同様の相談が寄せられていることから、これらについても注意するよう警鐘している。
金貨即現金化をめぐる相談は今年1月から7月までの間に47件寄せられている。特に、昨年7月以降、増加の傾向にある。
(編集担当:福角忠夫)