市民農園が昨年3月末現在、平成5年度末(1994年3月)に比べ、3.26倍に増加していることが農水省の調べで分かった。面積は4倍に、区画数は2.92倍になっていた。特に、市民農園開設者では農業者による開設が平成5年度末の15件から平成20年度末には480件と32倍に急成長を見せた。
農水省のまとめによると、平成20年度末での市民農園の数は3382件で、このうち2276件が地方公共団体による開設。次いで、農業協同組合(482件)、農業者(480件)だった。
区画数は16万5479区画となり、このうち13万2192区画は都市的地域に集中し、79.9%を占めていた。市民農園全体面積(1164ヘクタール)の61.8%(719ヘクタール)を占めた。エリアでみると関東エリアが8万7277区画で最も多く、次いで東海(1万7029区画)、近畿(1万6409区画)だった。面積では関東の487ヘクタールを筆頭に、東海(118ヘクタール)に続き、北海道(115ヘクタール)が入った。
農水省では「21年度末現在での市民農園の状況調査を現在進めており、年内に集計したい」としている。
余暇を利用して安心、安全な野菜を自ら栽培したり、栽培する喜びや収穫する喜びを味わおうという市民農園利用者が年々増えているほか、高齢者や障害者などが農業体験できるようにと学校法人や福祉施設が市民農園を利用するケースも増えていることなどが背景にあり、日帰り型農園、農村での滞在型農園(クラインガルテン)、教育効果や医療効果を期待する学童農園や福祉農園など、多様な効果が期待され、需要が今後も出てくるものと見込まれている。
(編集担当:福角忠夫)