国民生活センターは高齢者を狙った新手の投資トラブルとして、イラク通貨(イラクディナール)の取引をめぐるトラブルが今年3月以降急増しているとして、安易な取引をしないよう呼びかけている。
センターによると、相談事例では2万5000ディナール紙幣1枚を1口として、日本円で10万円で契約し、契約代金は業者の指定する銀行口座に振り込むというもの。電話勧誘によるものが最も多く、通販や訪問販売での勧誘もある。
相談件数では昨年11月1件、12月1件、今年1月2件だったが、3月に入って17件、4月18件、5月14件、6月に入って10件と3月以降急増しているという。消費者が支払ったケースでの1件あたりの最高額は2000万円だった。
希望すれば直ぐに円に両替する、必ず儲かるなどという説明だったが、実際に両替を申し込むと「今はできない」と断られたという。中には生活費全額を外貨購入に使いこんだために生活できないという80歳代の被害者もいた。
国民生活センターのよると、ディナールは日本の銀行では取扱がないなど、国内で取引することは極めて困難で、6月24日時点での為替レートで計算すると、2万5000ディナールは日本円で2000円弱の値打ちという。これを10万円で販売するのは「著しい暴利での販売と考えられる」と指摘している。
(編集担当:福角忠夫)